2014年10月20日

中盤は、サブプロットの数で調整出来る

ある話をつくるとき、
一幕と三幕は固定である。
問題の発生と解決法、テーマなどは、
その話に固有のものであり、早々変えられないものである。
(変えたら、別の話になる)

ところが、二幕は自由度が高い。
その長さを、サブプロットの多さでコントロール出来るのだ。


最も短い二幕は、ゼロだ。
一幕で問題が起こった。
たとえばこれを解決するには、あの人に頼めばいい。
三幕でその人に頼む(ここクライマックス)。
あるいは、自力で解決(ここクライマックス)。
解決、めでたしめでたし。

しかし、こう簡単に一筋縄ではいかないから、
お話は「展開」というのを持つのである。
逆に、一筋縄ではいかないことを展開という。

一筋縄ではいかない、ということは、
他の筋が入ってくることだ。
つまり新キャラとか、別の問題である。
(サブキャラ、サブ問題)
今メインになっている問題には、
メイン登場人物だけでなく、
他の人物の絡みが必要だったり、
他の問題の解決が必要だったりするのだ。
これらを称してサブプロットという。

サブプロットは、何本でもつくろうと思えばつくれる。
登場人物を増やし、問題を増やせばいいからだ。
(ただし、てんでばらばらな問題では、
話が見えなくなるだけだ。全てはメインの問題との関係がなくては意味がない。
そうでなければ、サブプロットとメインプロットの区別がつかなくなる。
そうやってメインとサブの関係が途中で逆転してしまう話はたくさんある。
ジャンプ漫画で、主人公の影が薄くなるのは、サブプロットがメインになってしまうからだ)

当然、増やせば増やすほど話は複雑に、重厚に、
多視点的に、複合的になってゆく。
あるサブプロットとあるサブプロットが対になったりすることもあるだろう。
サブプロットのサブプロットなどもあるだろう。
焦点はたくさん増え、続くが沢山出来るだろう。

しかしこれは、
意図的に増やしたり減らしたりすることが可能だ。


中盤が、最も時間調整がやりやすい。
人物や問題の増減で、である。

たとえば5分の話を10分に書き直すとき、
登場人物を増やせばいい。
(ただ増やすのではなく、動機を与えて話をややこしくする)
3時間を2時間に書き直すとき、
中盤のどこかをまるごと落とすために、
登場人物やサブ問題を減らすといい。

一幕と三幕は、本質的には変わらない。
二幕は、調整が効く。

ただ、間違った増減をやらないことだ。
原則は、メイン問題のサブ問題に、サブプロットがなっているかどうかということと、
そのサブプロットの、メイン問題へ果たす機能だ。
メイン問題の解決と、サブ問題の解決の関係を表にすると、
全体を俯瞰しやすいかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 15:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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