例えば5分(400字詰め原稿用紙換算5枚、2000字)
の習作を書くときに、
無理矢理にでも小道具を一個使う、などを縛りにしてみよう。
小道具の使い方に習熟するには、
使ってみることが一番だ。
大抵下手な人は、人間と台詞で精一杯で、
小道具まで気が回っていない。
ところが、物語は、人間と小道具と背景が武器だ。
人間を扱いながら、小道具や背景にも習熟しよう。
背景は大抵固定シチュエーションだから
(逆に変化する背景はダイナミズムがある。
どんでん返しの語源、舞台装置の転換は最も派手だ)、
固定しない遊撃手、小道具について慣れよう。
小道具は移動できる。持ち運べる。
時を越える。何かの証拠や証明になる。
何かの象徴になる。
現代で一番の小道具は多分ケータイ(スマホ)だろう。
古典的な小道具には、
ペンや手帳、メモ類、電話、手紙、指輪、
証書(契約書)、現金、食器、酒や食べ物、服、家具、道具、
などがある。
やや大きなものには、自転車、車、バイク、ベッド、ソファー、飛行機、
などがある。
小道具の範囲かどうかは微妙だが、それが小道具的使われ方をすれば小道具だ。
例えばXメンの飛行機は小道具ではないが、
グラントリノの車は小道具だ。
最も良く使われる小道具は、ナイフと銃だろう。
バールのようなものや固い灰皿のようなものでもいいが。
鍵もよく使われる。
鍵そのものでなくとも、何かの認証や進展になる、
文字通り話のキーになる小道具だ。
(マトリックスリローデッドでは、鍵をつくるキーメーカーという人間がキーになった)
その他、目につく、持てたり運んだり出来るものは、
なんでも小道具になる。
なんでもいい。一個だけ小道具を入れてみよう。
それは、最初に使う場面と、次に使う場面があるはずだ。
その少なくともふたつの場面で、
役割を変えるのだ。
それが変化や進展を表現できることに気づくと、
説明台詞ではない、別のやり方に気づくだろう。
特に映画は、小説より演劇より、
クローズアップのモンタージュの絵で語れる、唯一のメディアだ。
(小説ではそれを説明する言葉が必要だ。
演劇ではアップに出来ない)
マジックは、必ず小道具で行われる。
ストーリーの魔法も、小道具を介する。
小道具の上手い人は、脚本の上手い人だ。
何故なら台詞を必要とせずに物語を進展出来るからだ。
(そして実は、記憶とは音より絵だからだ)
2014年10月22日
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