写真が上手くなりたい学生はどうする? 沢山写真を撮るだろう。
歌が上手くなりたい学生はどうする? 沢山歌を歌うだろう。
芝居が上手くなりたい学生はどうする? 沢山芝居をするだろう。
しかも、同じジャンルでなく、なるべくバラバラのものを。
失敗から学び、成功から学ぶだろう。
自分は何が向いていて、自分は何が苦手で、
自分は何を磨くべきかを考えるだろう。
シナリオが上手くなりたい学生はどうする?
沢山書けばいいのだ。
写真家としてデビューするには、写真何枚失敗するだろう。
歌手としてデビューするには、何回音を外すだろう。
役者としてデビューするには、何度まずい芝居をするだろう。
その膨大な失敗は、学生のうちにしか出来ない。
プロで失敗したら次のお呼びはかからない。
プロとは毎回アベレージを保つ人のことだ。
にも関わらず、脚本家を目指す人は、一本とか二本とかしか書かない。
それどころか、はじめて書いた脚本が入賞するなんて夢を持っていたりする。
初めて撮った写真でグランプリで仕事殺到?
初めて歌った歌で紅白出場?
初めての演技でブロードウェイ?
そんなわけないよね。
数を書こう。何度も言う。
書いた原稿用紙が身長を越えたときが、一人前だ。
長編は体力的にいきなりは無理だ。
登山する人がいきなり富士山は登れない。
まずは日帰り出来る山からはじめるだろう。
脚本家の日帰りコースは、5分の話だ。
5分の話を10話つくろう。原稿用紙5枚、2000字だ。かける10だ。
いい話のCMぐらいが大体それぐらいだ。
写真を撮る学生のように、色々なバリエーションをつくろう。
失敗して成功しよう。
日帰りの失敗なら、反省もリカバーも出来る。
次に10分の話を5話つくろう。
5分の話をもう10話つくってもいい。
15分の話を5話つくろう。
30分の話を3話ぐらいはつくろう。
30分までなら、一日で書ける日帰りコースだ。
ここまでの積算分数はどれくらいか落ち着いて見てみよう。
成功率を出そう。イチローの4割がどれくらい凄いか実感しよう。
それから、ようやく60分とか、90分をつくろう。
山登りで言えば一泊以上の行程だ。難易度が格段に上がる。
2時間に挑むのはそれに慣れてきてからがよい。
シナリオが上手く最後まで書けません、という人は多い。
それは最初から富士山に登るからだ。
生まれて初めての登山で、一合目から富士山に登る人はいない。
いきなり原稿用紙120枚を埋める能力がどうして自分にあると思うのか。
写真を、歌を、芝居を目指す学生と同じだ。
まず沢山失敗せよ。
富士山には五号目のショートカットがあるが、
創作にはない。
(パクリというショートカットはある)
2014年10月24日
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