2014年10月24日

シナリオが上手くなるには

写真が上手くなりたい学生はどうする? 沢山写真を撮るだろう。
歌が上手くなりたい学生はどうする? 沢山歌を歌うだろう。
芝居が上手くなりたい学生はどうする? 沢山芝居をするだろう。

しかも、同じジャンルでなく、なるべくバラバラのものを。
失敗から学び、成功から学ぶだろう。
自分は何が向いていて、自分は何が苦手で、
自分は何を磨くべきかを考えるだろう。

シナリオが上手くなりたい学生はどうする?
沢山書けばいいのだ。


写真家としてデビューするには、写真何枚失敗するだろう。
歌手としてデビューするには、何回音を外すだろう。
役者としてデビューするには、何度まずい芝居をするだろう。

その膨大な失敗は、学生のうちにしか出来ない。
プロで失敗したら次のお呼びはかからない。
プロとは毎回アベレージを保つ人のことだ。

にも関わらず、脚本家を目指す人は、一本とか二本とかしか書かない。
それどころか、はじめて書いた脚本が入賞するなんて夢を持っていたりする。
初めて撮った写真でグランプリで仕事殺到?
初めて歌った歌で紅白出場?
初めての演技でブロードウェイ?
そんなわけないよね。

数を書こう。何度も言う。
書いた原稿用紙が身長を越えたときが、一人前だ。

長編は体力的にいきなりは無理だ。
登山する人がいきなり富士山は登れない。
まずは日帰り出来る山からはじめるだろう。
脚本家の日帰りコースは、5分の話だ。

5分の話を10話つくろう。原稿用紙5枚、2000字だ。かける10だ。
いい話のCMぐらいが大体それぐらいだ。
写真を撮る学生のように、色々なバリエーションをつくろう。
失敗して成功しよう。
日帰りの失敗なら、反省もリカバーも出来る。

次に10分の話を5話つくろう。
5分の話をもう10話つくってもいい。
15分の話を5話つくろう。
30分の話を3話ぐらいはつくろう。
30分までなら、一日で書ける日帰りコースだ。

ここまでの積算分数はどれくらいか落ち着いて見てみよう。
成功率を出そう。イチローの4割がどれくらい凄いか実感しよう。

それから、ようやく60分とか、90分をつくろう。
山登りで言えば一泊以上の行程だ。難易度が格段に上がる。

2時間に挑むのはそれに慣れてきてからがよい。



シナリオが上手く最後まで書けません、という人は多い。
それは最初から富士山に登るからだ。
生まれて初めての登山で、一合目から富士山に登る人はいない。
いきなり原稿用紙120枚を埋める能力がどうして自分にあると思うのか。

写真を、歌を、芝居を目指す学生と同じだ。
まず沢山失敗せよ。
富士山には五号目のショートカットがあるが、
創作にはない。
(パクリというショートカットはある)
posted by おおおかとしひこ at 12:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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