中盤を考えることは難しい。
考えれば考えるほど分からなくなる。
そういうときは一度気持ちをリセットして、
「ひたすら面白いことをする」と考えるとよい。
ここでいう「面白い」とは、
そのジャンルでいう面白いことだ。
コメディならハチャメチャな爆笑コントであり、
悲劇ならどんどん辛いことになっていくことであり、
ラブストーリーなら恋をしたときの、ときめきと苦しさであり、
対決ものなら、対決する面白さであり、
謎解きものなら、謎が次々に深まっていく面白さであり、
成長ものなら、成長と苦しみを繰り返す面白さであり、
異世界ものなら、異世界の面白さを十二分に味わい、危険も味わうことであり、
妖怪退治ものなら、次々に敵を倒していく面白さであり、
忍者ものなら、次々に術やキャラを使い捨てて闘う面白さである。
それはそのジャンルの特有の面白さになる。
(そしてこれを見ても分かるように、複数のものが掛け合わさってもよい)
あなたは今何の話を書いているのか。
それは何のジャンルか。
ベタベタにジャンル分けできるのか、
あるいは全く新しいジャンルを書いているのか。
何に似ているか。何が違うのか。
どんな面白さを書くのか、あなたが分かっていない限り、
それは思いつくことすらできない。
例えば、○○方向の面白さを思いつこう、と決意して思いつくべきだ。
○○とか△△みたいなこと、でもいいし、
○○と△△を組み合わせたような、と方向づけてもいい。
当たり前だが、それは具体的なエピソードがないと駄目だ。
いくら○○のような面白さ、という方向性が良さそうでも、
その具体が面白くないと話にならない。
面白いエピソードを思いつけるかどうかは才能であり、
訓練すればある程度出せるようになる。
(数稽古はそのためにやる。いつなんどきでも面白いことが言えるようになる訓練だ。
逆に訓練していないなら、才能だけでやらねばならず、それは不安定ですぐ枯れる泉である。
プロというのは常に面白いことを言えるように訓練している。
放っておいても秀作が書けるように。
そしてわずかな才能が発露したときに、普段以上の傑作が書ける。
例えば「てんぐ探偵」の11話「正解」14話「上から目線」は、
ほとんど才能なしの地力で書いている。
才能が降臨したのは13話「みにくい」の扉を開ける問答や、
15話「どうせ」の扉に大穴をあけるところだ)
さらに。
「前段を踏まえたゆえの面白さ」でなければならない。
一発ギャグ芸人のように、
ただ面白いことを点で思いつくのではない。
それは単発の面白さに過ぎず、映画の面白さではない。
(強烈な単発の面白さはカンフル剤になるが)
○○しなければならないのに△△、とか、
○○目的での△△とか、
動機や事情を踏まえた上での面白さになるべきである。
アイロニー(逆)はここで働く。
特にコメディはそうだ。
「愛しのローズマリー」では、
催眠術によって「心の綺麗さが美人に見える」男が、
「実際には100キロごえの超巨漢を美人だと思い込み」デートする面白さが、
大爆発する。
ここのパートは優れたコントであり、
超巨漢と美人という逆が働いている。
逆の面白さである。
(人は外見ばかりを見る、ということへの強烈な風刺でもある)
或いは悲劇でもそうだ。
本当ならこんな幸せな人生の筈だったのに、
なぜ俺はこんな人生を歩まねばならないのか、
という悲劇をたっぷり味あわせるのだ。
ドラマ「風魔の小次郎」では、
項羽と琳彪の死から、
悲しみを霧に忍ばせるエピソードや、
青春って何だというところからもし忍者じゃなかったら、
という4から7話は、そのような悲劇の面白さをも含む。
(一方でコメディをやるところがハチャメチャなのだが)
中盤のここから思いつくことがあるかも知れない。
○○みたいなことをすると面白いぞ、とか。
とすると、第一幕は○○せざるを得ないように状況を持っていくとよい、
と逆算でつくることができる。
ただこの作り方は後半戦で苦しむことになる。
テーマからつくるやり方では一幕三幕は書けても二幕で苦しむが、
テーマや渇き不在になりがちな、「面白いことありき」だと、
それをどうひっくり返してテーマに結びつけるかが、
思いつくのが難しくなるのである。
(ブレイク・シュナイダーはこのやり方を好んだらしく、
二幕後半でいつも悩むと言っている。
僕は二幕後半で悩むことはほとんどなく、二幕前半がいつも苦しい。
それは、最初にどこから思いついたかの違いだと考えている)
逆に考えると、映画とは、
テーマの一幕三幕と、面白さの二幕の、
両輪が機能しなければならないのだ。
面白いことをせよ。
映画は面白くてなんぼだ。
面白いとは、そのジャンルの面白さだ。
新しい面白さなら、新しいジャンルをつくりつつある自覚をせよ。
それはとてもいい傾向だ。
ちなみにそれはどれと近いかも意識せよ。
もし似たようなことでもっと面白いことをやってる人がいれば、
一発アウトである。
それとは違って、こう面白いのだ、と自信をもって言えれば、
それはまず間違いなく面白い。
中盤の面白さは、格別な面白さだ。
才能を爆発させよう。
2014年11月14日
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