2014年11月14日

シナリオの実物

小説ならば完成形をいつでも山ほど見ることが出来る。
比較研究や深く研究したり、写経することも出来る。
漫画も同じだ。
好きな作品なら単行本加筆前の雑誌切り抜きで持っている人すらいる。

しかるに、シナリオの実物を見れる事は滅多にない。
これは、脚本家を育成する上で致命的ではないだろうか。
(大体、2時間48000字の世界なんて、未経験者が想像できる訳がない)


大手映画会社にいけば、
実物のシナリオを保管しているところなどがあるのだろうか。
大手スタジオには脚本部(文芸部)を持つところもあったが、
昭和っぽいネーミングの通り、
そんな部署があるところはいまや聞かない。

となると、どこで膨大にシナリオを見て研究できるのだろう。
ハリウッドでは、国策である映画業界のリーチは比較的楽である。
代表的な映画のシナリオを閲覧出来るサイトもあると聞く。
(コピーなどの不正を防ぐために会員制だったかな)

日本でもしそのような場所があるのなら、是非教えていただきたい。


一般人である我々は、
唯一(?)「月刊シナリオ」「月刊ドラマ」で、
映画とドラマのシナリオを見ることが出来る。
大きめや古めの書店で売っていたり、
古本屋でバックナンバーを見つけることも出来る。

僕は後進の為、と思って、
「作品置き場」「風魔」カテゴリにて自作のシナリオを閲覧可能にしている。

まあ日本では、宮崎絵コンテみたいに、ファングッズになってしまって、
本当に作りたい人に渡っていない現状はある。
(クリエイターのはじまりはファンからもあるけど)


ここまで書いて思い出したが、
東銀座の松竹本社ビルに、松竹大谷図書館という、
演劇と映画のシナリオを閲覧出来る図書館があった。
恐らくは松竹限定だろうが、
行ったことはないのでこれ以上分からない。

まあ、撮影現場では脚本なんて叩き台に過ぎず、
ノリでいってしまえ、あるいは編集で大分変えた、
なんて現場があとを立たず、
シナリオに意味がなかったりすることもある。

これらの冷遇を見る限り、
脚本家って男子一生の仕事として意味があるのかなあ、
と考え込んでしまう。
小説家のほうが待遇もリターンもいいよねえ。



実物を見たければ、映画業界に潜り込むしかないところが辛いところだ。

もし大量に閲覧できて、研究の役に立つ所があることを知ってる方、
教えて頂くと、みんなのためになるでしょう。
(芝居の戯曲は、アウトプットが違うのでこの際除外。
しかしヨーロッパの演劇では、戯曲がまるまるパンフについてくるという。
この方式、日本でも流行らないかなあ)
posted by おおおかとしひこ at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック