2014年11月20日

人を集めるもの

人類が生まれてこのかた、人は何に集まって来たのだろう。
それに思いを馳せることは、原始的な人間の本質を考える上で大事だ。

何故なら映画とは、「人を集める」というジャンルの中の、
近代のものだからだ。
(近代ではあるがもはや最新ではない)


人を集めることは、
原始的集団でもあり、たとえば祭りのような大規模なことにもなる。
古代、祭りは奉りであり政りでもあった。
(今でも選挙はそうかもね。達磨という宗教の名残もあるし)

映画の公開も祭りの一種だ。
興行は祭りである。
映画会社は祭りを年中運営する会社のことだ。


さて、原始的に人を集めることはなんだろう。

食べ物と飲み物。
どの祭りにも欠かせない。
水飲み場、すなわち井戸端は日常の情報交換の場でもあった。
今ではランチやお茶がそのかわりになっているかも。
人はレストランやバーに集まる。

例えば焚き火。夜のライトアップもこの代わりかも知れない。
火を燃やすことがクライマックスの祭りは、全国にあるだろう。

例えば音楽。合唱。
ハモリは人間の生み出せる奇跡のひとつであり、それは宗教的レベルだ。
(カトリック教会では歌を歌うこととその後飴を配ることは、
子供たちを日曜日教会に来させる理由になっている)

例えば踊り。
原始的な神託の舞いから、歌舞伎からキャバレーからジャニーズまで。
チラリズム的なエロスから、ヌードダンスまで、それは生の象徴だ。
インド映画では性的シーンの代わりをダンスシーンで描くという、
文化的ルールがある。(大抵水で濡れる)

例えばお話。
長老が語る先祖の冒険や神々。
(古代では、先祖と神は区別をつけない場合が多い)
大抵は焚き火や囲炉裏やストーブの火がセットだ。
お話の威力の低下は、火がないことと関係しているかも知れない。
創作落語や演劇や時代が下って講演会。
フィクションからノンフィクションまで、
人は話を聞くために集まる。

例えばエロ。
いやらしいものを見せるだけでなく、男女の出会いを求めて、
などの場もそうだ。

焚き火と音楽で、エロい衣装の巫女が踊り、
それは神話などの宗教的話を暗示していて、
そこで男女がまぐわい、最終的に神託がおりて政りごとが決定、
などの複合もあるよ。


例えば見世物。
蛇女とか三本足の女と称して、障害者を見世物にしたのは、
昭和当たりに絶滅しただろうか。
オカルトや怪談はその名残か。
恐怖と紙一重を、人は見に集まる。
プロレスや格闘技もここにいれてもいいかもだ。
疑似恐怖かも知れない。

例えば笑い。
爆笑のために人は集まる。

例えば手の込んだもの。
物凄い工芸品や、凄い刺繍や、クリスタル細工とか、
手の込んだものを見るのは人は好きだ。
芸術品と工芸品は、紙一重である。

例えば貴重なもの。
滅多に見られないものは、見たい。
絶景、貴重な品、などなど。
(美男美女も、ここに入るのか?エロか?)



思いつくままに書いてみた。
これで全部じゃないだろうし、
分類も適当だ。

しかし大事なことは、
映画は、このなかのひとつだということだ。

他の何かに行かず、あなたの映画に行くのは、何故か。
他の何かに行こうとしている人を、
あなたの映画に向かわせる引力や魅力はなんだろう。

人は何故、映画を見に行くのか。

人は何故、あなたの映画を見に行くのか。
あなたなりの答えを考えるのも、悪くない。


(かつてはそれは宣伝部の仕事だったが、
アホな宣伝部が多すぎて、ちょっと任せられない状況になりつつある。
人気芸能人と人気原作しかその理由に上げないという、ちょっとヤバい状況だ。
あなた自身があなたの映画を、広い目線で把握する必要がある)
posted by おおおかとしひこ at 12:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック