2014年11月24日

7万字の小説を書け

俺の説、ということにする。

映画脚本二時間分は、
7万字の小説に相当する。


文庫一冊の小説の文字数のメドは、
10万字、400字詰め原稿用紙換算で250枚という。
(改行や空行などの、原稿用紙上での表記こみ。
wordの文字数カウントは純粋に文字だけをカウントするので、
その文字数よりは実質多くなる。
僕は時々ファイルをコピーして、原稿用紙に変換するコマンド
を使って時々確認する。
アンドゥ出来ないのでコピーしたファイルでやるのがコツ)

文庫一冊といっても様々な厚さがあるが、
まあ200枚から350枚ぐらい(8万字から14万字)の巾はあるだろう。

一方脚本は、400字が1分に当たるフォーマットで書く
(本ブログの脚本のフォーマット参照)ため、
分数が原稿用紙の枚数になる。
2時間きっちりの映画は48000字だ。
110分ぐらいが手軽なスタンダードだから、
44000字がなんとなくのスタンダードだ。
(昔よくあった90分などは、36000字ということになる)

これは小説でいえば7万字だ、という説を唱えてみる。

もしあなたが一度も二時間相当のシナリオを書いたことがないなら、
7万字の小説を書くことをすすめる、というのが今回の趣旨だ。


根拠はない。
自分で書いてみたカンだ。
小説版てんぐ探偵は、
一話当たり30分想定ドラマの小説化だが、
5話終わった時点で6万字越え、
6話終わった時点で7万字越えだと思う。
実際の30分のシナリオにするにはあそこから大分削らねばならないから、
まあ何となくの目分量だと思ってくれてよい。
(大体各話でページ数がバラバラという、
放送台本としてはあまりにあり得ない。小説とはフリーダムだなあ)

あれぐらいの分量が、二時間の映画ぐらいの感覚である。
短いだろうか、長いだろうか。

小説は地の文が強力なので、
シナリオ形式よりも、物語を書くのに楽である。
(本当のところは難しいのかも知れないが。
とりあえず形にするということでは、
地の文はト書きと台詞だけでほぼ表現するシナリオ形式の、
5倍は楽だというのが実感だ)

だから、48000字のシナリオに挑戦するくらいなら、
7万字の小説を書く方が楽である。

で、大体それらが同じ規模の話が書けると思う。

登場人物の数、掘り下げ方、事件の規模、
中盤の厚み、クライマックスの規模、
全体の質量感などで比較している。


小説家を目指すような人は、
7万字なんて中編ぐらいだと思うだろう。
5万字を越えるものを書いたことのない、
物書き志望の人もきっといるだろう。

とりあえず7万字の小説。
それが自在に書けるだけの作劇力、
描写力、根性があれば、
シナリオ一本書けるだろう。


僕は脚本を書くには、
ストーリーという作劇の力が大事で、
その他についてはなんとかなるもの、と思っている。
7万字小説の作劇をしてみて、
その作劇の労力や規模を先に実感したほうが、
いきなり脚本一本書こうとして挫折するより、
遠回りだが確実なエクササイズだと思う。
posted by おおおかとしひこ at 00:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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