2014年11月29日

コンセプトだけ突出した例

今週号のモーニングを読め!
永井豪の新作読切「カイケツ風呂頭巾」が天才的だ!

時代劇版「けっこう仮面」だ。
江戸時代の風呂は混浴だったが、やはり年頃の女子は恥ずかしい。
ところが頭巾を被れば恥ずかしくないという流行になった。
そんな中、顔を隠した全裸のヒロイン、怪傑風呂頭巾が悪を懲らしめる!
登場は必ず尻からだ!
合言葉は「良いケツ、怪ケツ、風呂頭巾!」

あまりの馬鹿馬鹿しさに笑ってしまった。
永井豪、いくつなんだよ。
まだこんなの思いつけるのかよ。
本物の天才とはこういうことなのかよ。

(以下ネタバレ)


先の議論、
コンセプト、感情移入、テーマでいえば、
コンセプトだけが突出した、
逆に読み切りだけにコンセプト一点突破を狙った、
狙いすました一撃である。

誰が思いつく?

決め台詞が「良いケツ!怪ケツ!風呂頭巾!」に、
自分の作家人生を賭けようと思うか?
その一点突破ぶりが、天才的である。

同じモーニングの巻頭カラーで、藤田和日郎の新連載の、
設定の複雑さとあまりにも対照的で大爆笑である。

基本設定からまず馬鹿馬鹿しい。
風呂頭巾の流行?アホか!面白すぎるわ!

ストーリーラインは一本道だ。
頭巾を被った女子が、
怪傑風呂頭巾を取り締まる役人たちに間違えて連れていかれ、
本物が白馬に乗ってやって来て解決するだけだ。

サブストーリーがきちんとある。
悪代官は女子を拷問したくてしょうがないから、
誰でもいいからさらいたかったのだ。

しかし感情移入もくそもない。
短編読み切りだからだ。
(一応、「恥ずかしいから頭巾を被っていったら、
理不尽にも捕まった」女子が感情移入対象だ)

テーマもなにもあったものではない。勧善懲悪ぐらいだ。
「どこの誰かは知らないけれど、体はみんな知っている」
けっこう仮面の時代劇版、
翻っては元ネタの月光仮面までさかのぼる、
ごく普通のテーマである。

その代わり、コンセプトであるところの、
「登場シーン」だけは完璧だ。

悪代官の部屋に、障子をまずオッパイが突き破ってくるのだ。
(障子を勃起したちんこが突き破るベタを、オッパイでやる下品な勇気!)
その直後、間違えたこっちだ!
と尻がバリーンと突き破ってくる!
「良いケツ!怪ケツ!風呂頭巾!」
あほか。天才か。


是非シリーズ化を望むところである。

(勿論、このあとに感情移入やテーマといった、
物語に必要な要素が、後付けの形でやって来るからだ。
永井豪がどうやるか、見てみたいではないか!)
posted by おおおかとしひこ at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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