2014年11月30日

劇的って何だろう

ドラマチックとか劇的とか、
アオリでよく使われる言葉に、
劇を書く我々は、説明できるだろうか。

ドラマチックってどういうことか。


逆を考えてみる。

「淡々と進むこと」だろう。

道が平坦で、予測がつき、処理レベルでエネルギーも使わず、
予想通りに終わることだ。
そこに感情の揺らぎも、何もない。

だからドラマチックとは、
起伏に富み、予測できないことが起こり、
毎回イレギュラーで猛烈にエネルギーを使い、
予想もつかない結末へ至ることだ。
我々はそこに感情を揺らがせ、振り回され、ついには爆発することである。

起伏もないまま、予想が簡単についてしまうものを、
ドラマとも劇とも言わない。
それは日常の理想だ。

平穏無事が一番よく、
今年の売り上げが予測できて変動しないものがいい。
横綱相撲とは、四つに組んだら技量で圧倒して、
そのまま安定して押し出して勝つことだが、
そのようなものが日常の理想だ。
紛れがあってはならない。

戦争だって一か八かではなく、物量で押す経済戦争であるはずだ。
(ベトナムの敗因はゲリラ戦術を予想できなかったことも大分ある)


だから、その逆のドラマを人は求めるのだ。

大逆転劇。号泣や大爆笑。スリル。破滅を見ること。
神の配剤という偶然に唸ること。因縁めいた運命。
人間と人間が欲望を剥き出しにしてもつれあう様。
感情の大爆発。神展開。紛れ。
予想もつかないどんでん返し。目を離せない展開。
予断を許さない状況。
命の危機、絶体絶命。命を賭けること。
信条や真実が揺らぐこと。
生まれ変わるほどの体験。成長。
大緊張。ひとつも失敗できないのに失敗しそうなこと。


一言で言えば、あああああーってなること。
逆は、…………ってなること。

僕はそう思う。
それを書くことが、脚本を書くことだと思う。
その為に構成などの理論があると思う。


ドラマチックってどういうことか。
劇的とはどういうことか。

あなたなりの答えを考えておこう。
posted by おおおかとしひこ at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック