ドラマチックとか劇的とか、
アオリでよく使われる言葉に、
劇を書く我々は、説明できるだろうか。
ドラマチックってどういうことか。
逆を考えてみる。
「淡々と進むこと」だろう。
道が平坦で、予測がつき、処理レベルでエネルギーも使わず、
予想通りに終わることだ。
そこに感情の揺らぎも、何もない。
だからドラマチックとは、
起伏に富み、予測できないことが起こり、
毎回イレギュラーで猛烈にエネルギーを使い、
予想もつかない結末へ至ることだ。
我々はそこに感情を揺らがせ、振り回され、ついには爆発することである。
起伏もないまま、予想が簡単についてしまうものを、
ドラマとも劇とも言わない。
それは日常の理想だ。
平穏無事が一番よく、
今年の売り上げが予測できて変動しないものがいい。
横綱相撲とは、四つに組んだら技量で圧倒して、
そのまま安定して押し出して勝つことだが、
そのようなものが日常の理想だ。
紛れがあってはならない。
戦争だって一か八かではなく、物量で押す経済戦争であるはずだ。
(ベトナムの敗因はゲリラ戦術を予想できなかったことも大分ある)
だから、その逆のドラマを人は求めるのだ。
大逆転劇。号泣や大爆笑。スリル。破滅を見ること。
神の配剤という偶然に唸ること。因縁めいた運命。
人間と人間が欲望を剥き出しにしてもつれあう様。
感情の大爆発。神展開。紛れ。
予想もつかないどんでん返し。目を離せない展開。
予断を許さない状況。
命の危機、絶体絶命。命を賭けること。
信条や真実が揺らぐこと。
生まれ変わるほどの体験。成長。
大緊張。ひとつも失敗できないのに失敗しそうなこと。
一言で言えば、あああああーってなること。
逆は、…………ってなること。
僕はそう思う。
それを書くことが、脚本を書くことだと思う。
その為に構成などの理論があると思う。
ドラマチックってどういうことか。
劇的とはどういうことか。
あなたなりの答えを考えておこう。
2014年11月30日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック