うちの演出部若手の脚本を見ていると、
会話が致命的に下手なのが目につく。
会話の下手な脚本なんて読む価値がない。
デートしていて弾まない会話並みに、
それは詰まらないからだ。
どうすれば会話が上手くなるのだろう。
書くスピードを上げる、という物理的な手段を紹介してみる。
あなたは言う速度で書けるだろうか。
大体は言うより書く方が遅い。
が、書くスピードは上げることが出来る。
速記を習ってもいいし、崩し字を習ってもいい。
僕はたいして綺麗な字ではないが、
書くスピードは速いと思う。
思ったことを忘れないうちに書き留める程度には。
会話が書くのが下手な人は、
本来リズムのある会話を、
書くのが遅くてそれを書き漏らしている可能性がある。
打ち文字よりも手書きのほうが速い筈だ。
自分用に簡略字体を発明している作家は多い。
それは、書くスピードを上げるためだ。
思ったリズムで手が書けるようにするためだ。
小学校の書道はここで活きる。
漢字や平仮名は、書き順のまま崩したほうが書くスピードが上がり、
形も美しくなる。
書き順は、そのように定義されているからだ。
漢字の書き順が正しくない人は、
字を崩せないし下手だし書くのが遅い。
コンマ数秒の話をしている。
一文字書くのに一秒遅れていたら、
頭の中のリズムからとても遅れていくだろう。
コンマ数秒縮めれば、頭の中の再生速度に近づく筈だ。
かつてガラケーの文字入力は、漢字変換を含まなければ、
女子高生の入力スピードは口で言うスピードに限りなく近づいたという。
僕はブラインドタッチよりも、
崩し字による手書きを勧める。
日本語の文章は、日本語で書くのが一番だ。
とにかく、口で言うように、
文字を書けるようになれば、
会話は上手くなる。
もしそれでも会話が詰まらないなら、
あなたはそもそも話が面白い人ではない。
面白い話をする人になってから出直したほうがいい。
(普段物凄く面白いのに、原稿を書かせたら途端に詰まらなくなる人もいる。
人間というのは面白い)
あとは、対話をちゃんと再現することだ。
他人と他人の会話を、
ちゃんと頭のなかで出来るようにすることだ。
違う立場、違う目的や事情の、
二人以上の会話を、それぞれの話者の都合を考えながら、
頭のなかで言えるような想像力を持つことだ。
言えれば、あとは書ける筈である。
会話さえちゃんと書ければ、
話なんて5分やそこらは全然持つ。
プロットさえ出来てれば、
面白いように話は流れていくものだ。
逆にプロットがないなのに、
面白い会話だけで、数分は持たせられるものだ。
それぐらいを目標にしよう。
2014年12月22日
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