2014年12月29日

共感覚による世界構築

今回は完全に雑談です。

共感覚とは、五感のうち、ある感覚と別の感覚が結びつくことだ。
文字を見ると色が見えたり音が聞こえたり、
音楽を聞くと色が見えたりする感覚のことである。

それが再現性がなければただのその場のイメージなのだが、
毎回同じものが再現されれば、共感覚と見なされる。
芸術家は比較的この感覚に鋭い。
だからある感覚とある感覚を結びつけやすいのだと思う。

僕は一種の共感覚を持っている。
文字を見ると色が見える。


僕は車田漫画でそれに目覚めた。

ある時期の車田漫画(リンかけ後期、カイザーナックルあたりから、
風魔の中期、聖剣の竜魔戦あたりまで)
は、ネーミングに強烈な色が見えていた。

竜魔はどちらも緑色で綺麗な名前だし、
飛鳥武蔵は赤から紫の綺麗なグラデだし、
項羽は黄色と白、小龍は白と緑で、
白を挟んで対照的だなあと思ったし、
死牙馬は黒エンジ茶の地味な名前の割に、
シグマの振り仮名が白と対照的だなあと思ったし、
風林火山は、緑緑赤緑で、微妙に違う緑系の中に赤が入って、
綺麗な配色だなあといつも思う。

さて、この感覚がどの程度共有できるか分からない。
多分人によって見える色も違うだろうし、
後輩は色より音が聞こえるという話をしたことがある。
言葉の音の響きとは別のメロディが聞こえて不便だろうと言ったら、
文字単体のときにしか現れないらしい。
参考までに、数字と色の見え方。
1234567890は、黄色オレンジ青ピンク緑濃い青赤濃い黄色黒白に、
僕には見えている。
(ポンキッキの数字の印象と近いかも知れない。つまり刷り込みの可能性もある)

この感覚の鋭さを試す方法があって、
視力検査みたいに一杯文字を並べて、
こっそりピンクに見える文字とかで大きく数字を書いて、
それに気づくかどうか、というものがある。
誰かとやってみて、再現性が低ければイメージと連動しているだけに過ぎない。
(僕の火=赤とかも、分かりやすいイメージ過ぎるし)

だから実写風魔の小次郎では、
僕が色を決めていなかった所には違和感が強い。
例えば「風」の旗は僕にとっては緑色で、
風魔も緑緑に見えるので、完全に緑がイメージカラーだと思っていたら、
美術部がアニメ合わせでオレンジの旗を作ってしまっていたり、
スチル撮影のときに風魔サイドが赤バックになっていたのも、
結構違和感がある。(舞台のサイリウムも赤だったっけ)
夜叉は黒紫と白に見えるので、紫をイメージカラーに出来たのは幸いだ。
また、竜魔は緑なので、左目は緑色をイメージしていたら、
市野さんに勝手に青にされてて、物凄く違和感があったことを思い出す。

僕は声にも色を感じるタイプで、
竜魔の中の人、進藤の声は緑に合わせた。
顔はメイクでなんとでもなるが、声はどうしようもないからだ。
飛鳥武蔵は低いときはエンジから紫でイメージ通りだが、
優しい声は明るいオレンジで、僕は色的な違和感がある。


全く共感されないかも知れないが、
僕はこのようなアンサンブルで、色あわせをきちんとやりたいのである。
あってないところが気持ち悪いのだ。
ところが、実際の現場ではそこまでコントロールが効かないところも多々あるので、
我慢しなきゃいけないところも沢山ある。
役者の声だけはとくに気を使う。
だから僕の採用する役者は声がいいとよく言われる。


さて、それをひとつ自由に出来るものがあることに、
ようやく気づいた。
オリジナルのネーミングだ。

実は「てんぐ探偵」のネーミングでは、
脚本上の名前の法則を、第三集まで使っていた。
脚本上の名前、役名は区別がつきやすければいい、
という乱暴なやり方だった。

ところが、第四集からは、宿主の名前の共感覚的色と、
心の闇の色を合わせていけばよいと気づいたのだ。

原田健は妖怪一発逆転の水色合わせ、
緑川佐代子は妖怪ベストの緑合わせ、
水谷徳一郎は妖怪任せられないの薄い水色合わせ、
清水真紀は妖怪ペルソナの白合わせ、
江島憲史は妖怪横文字のオレンジ合わせにしてみた。

ほほう成程美しい、と色でも世界を構築してみたのである。


この感覚を共有出来るとは思っていないが、
そうやって、センスというものが決まっていくような気もしている。
似たような感覚がある人は、参考にしてほしい。


勿論、世界の構築というのは、意味ありきである。
しかしこのような、意味が意味をなさない領域は、
このような感覚的部分が大きいのである。
脚本は意味の芸術でもあるが、
装飾的なこともあり得ることに、ちょっと気づいた。
posted by おおおかとしひこ at 14:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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