一日5本プロットをつくる。
最低3行から、ペラ一枚1500文字以内ぐらいまで。
完成想定尺は5分でも15秒でもいいし、30分でも二時間でも大河でもいい。
詰まらなくてもやむなしとして、
完成させることだけに集中すること。
(ネタ出しに一時間、文章書きに一時間、一日二時間を確保すること)
完成度よりも、落ちまで書くことを優先させること。
これは練習である。
これを20日間、毎日やる。週に休んでいいのは一日まで。
するとあら不思議。
今月中に、プロットが100本出来たことになる。
面白いかどうかは別として、
あなたは100本のオリジナルストーリーを書いたことになる。
このドリルはなんの練習になるのか。
アマチュアの殆どの問題は、
経験の足りなさである。
なんの経験かというと、落ちをつける経験だ。
大抵のアマチュアは、書きはじめたはいいが、
段々出来が気にくわなくなって、
途中でやめるか、
強引に完結させて不満足か、
続くにしてしまって続きを書かないか、
どれかである。
いずれにせよ、おそらく二度と書き始めない。
何故なら、苦労した割に、出来上がったものはいまいちだからだ。
これは負のループだ。
あなたは、色々な作品を書くことに慣れるべきであり、
完結せずに放っておくことに慣れるべきではない。
これは、根を詰めずにやる方法だ。
絵で言えばクロッキーである。
本格的で精緻なデッサンに入る前の、
ざっくり形を見るためのものである。
たった三行でも構わない。
主人公は異世界に飛ばされる。
活躍して、姫と結ばれる。
姫を連れて現実の世界に帰ってくる。
ぐらいでも構わない。
洒落た男女が出会う。
燃えるような恋をするが、
別れる。
ぐらいでも構わない。
これは殆どのウッデイアレン映画のプロットだ。
流石にもう少しディテールを足したくなるよね。
そうやって長くなってもいい。
制限以内であれば。
ディテールを足そうが色々盛ろうが、
何をしても構わない。
とにかく、落ちをつける経験を積むことだ。
この経験を積むと、
いい落ちに来そうかどうかが、
分かるようになる。
自分なりの落ちのつけかたが分かるようになってくる。
そうすればしめたものだ。
お話とは、落ちからの逆算だ、
ということが分かるようになってくるからだ。
脚本論は、実践者たちの理論である。
出来ない人が出来るようになる方法ではない。
出来る人の為の理論だ。
そしてアマチュアとは、
何ができて何が出来ないのかも分からない人のことだ。
さあ明日から仕事はじめだ。
電車の行きの一時間、帰りの一時間で、
出来ないこともないだろう。
一年の最初のひと月で100本書けたら、それだけであなたの蓄積になる。
100という単位をクリアすると、人は変わるよ。
(ほんとの数稽古って、一万とかやるよね)
途中で挫折しそうになったら、
三題噺などにでもしよう。
バッドエンドや未解決エンドでも構わない。
落ちまで書くことを優先させること。
全部が全部面白い必要はない。
打率は多分低い。2割切るかな。
3割打てば首位打者ぐらいの感覚で挑もう。
2015年01月04日
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練習法のアイデア、ありがとうございます。
今日より始めていこうかと思います。
正月からダイエット、正月から日記書く、正月から走る、などなど大抵三日坊主になるものです。
この仕事のコツは「締め切りをつくること」。
毎日てっぺん(業界用語で24:00のこと)までに仕上げる、などがオススメです。
ちょっとした売れっ子作家のイメージトレーニングも出来ますよ。
一日5つで、今日までで23日分書いたので115本書いたことになります(二日間書かなかった日があったのでその次の日に10本書いていたりしてますが・・・)
正直、仰る通り30超えたあたりで相当きつくなり、その後はとりあえず落ちまで書いてはいるものの、書きながら自分で「これ世界観とキャラ設定が少し変わっただけで話の流れ一緒だな・・・」と自分でも思う話だらけになってしまいました。
しかしこれは良い意味でとらえれば、「作風」とか「得意ジャンル」に(いつか)なるのであろうという希望を持ってこれからもプロットマラソン続けていこうかと思います。
書いていて収穫になったのは、書いている途中で「これは面白い終わり方が出来そうだ、これは詰まらない結末になりそうだ」というのがちょっとわかるようになったことです。
そして一番の収穫は
上手いオチをつけることの難しさ
という自分の中でうっすらと思っていたことを100本マラソンを通じて身に染みて理解できたことですね・・・。
大岡さんがこの練習法を提案してくれたおかげで自身を成長させることが出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。有り難うございました。
そしてこれからも記事の更新を楽しみにしておりますw
(このブログ自体も毎日記事更新されていらっしゃるのですさまじいなぁ・・・)