ボイスオーバー、ナレーション、
演説、手紙、回想するとき、ラジオやテレビから聞こえる音、
歌詞が乗る場合、など、
絵を撮ってからあとで音はめをするような場合、
(あるいはミュージカルのように、先に歌録音してから
それに合わせて絵を撮る場合)
脚本でどのように書けばよいか。
1. 文字要素が少ない場合
絵の事を示すト書きを先に書き、
「これらに以下のナレ(歌詞)が被る」と書くとよい。
逆でもよくて、
ナレ「…」などと先に音を書き、
「このナレが以下に被る」と、ト書きに絵を書いていく。
2. 多い場合(例えば10行とかそれ以上)
段落に分けたり、小分けにして1に準ずればよい。
たとえば、「以下、台詞のない絵にナレ(歌詞)が乗る」
などのようにして、
ト書きを数行書いてはそれに乗るナレなどを数行書き、
それを繰り返していくとよいだろう。
絵と音がシンクロしたりするイメージでは、
いちいち書いていては行数ばかり増えていく。
つまり、脚本形式では、厳密なシンクロの指示は不可能だ。
どうしてもシンクロしたいところを絞るだけにし、
以後は監督に任せることだ。
脚本とは、文脈や動機や意味や理由を書くことだ、
という原則を信じ、シンクロさせたくなるような、
言葉と絵を並べていくことだ。
3. 多いけど、重なったりして聞こえなくてもよい場合
例えばテレビをつけっぱなしにしていて、
その前で二人が会話する場合など。
テレビの内容が全く重要でないなら、
「背景のテレビがバラエティーなどを写している」
とト書きに書いて、その内容までは踏み込む必要はない。
(この原稿を書くのは、大抵は助監督の仕事だ)
そのバラエティー中に臨時ニュースが入って、
注目せざるを得ない場合、
臨時ニュース「番組の途中ですが、臨時ニュースです」
などと割って入って、以下続けるとよい。
そこに二人が突っ込みつつ話を続けるならば、
臨時ニュース「震度6弱がありました。以下の地域です。…」
A「」
B「」
などのように、一人の登場人物扱いして進行すればよい。
厳密にはABが喋っている間もニュースは続くが、
その裏の分は脚本時には不要だろう。
(実際の撮影では、助監督が書く。もちろんあなたが書いてもよいが、
実際にはボリュームが絞られ聞かれないところなので、
尺調整しやすいように原稿を書く力が求められる)
脚本で書くべきものは、「聞こえる言葉」だ。
聞こえない(どうでもよい)言葉は書く必要はない。
例えば観客席の応援団の歌が、
内容的に関係あるなら書くべきだし、
何でもいいのなら書かずに済ませればよい。
小説では段落を分けて、一人称の告白形式にでもすればいいのかな。
詳しくないので分からないが、
イメージしやすく、誤解をされないやり方が一番いいと思う。
2015年01月12日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック