2015年01月12日

平凡なプロットも、書き方次第で面白くなる

いわばガワだけを変えてみる方法。

アットランダムに書いてみる。


視点を変えること。

主人公をそのプロットの中心人物ではなく、
別の人を主人公にしてみること。
ベタな物語が新鮮になることがある。

例えば「刑事コロンボ」は、
追い詰められる犯人の視点から見た話である。
とある話の、あなたの思い入れのある人物視点から描くと、
物語が急に新しい見え方をする。
人物の視点によって話がバラバラだ、というテーマは「羅生門」だ。
こういう話は、視点の転換が出来ないと、出来ない。

ラブストーリー小説でよくあるのは、
奇数章女目線、偶数章男目線、などのような構成だ。
映画であまり採用されない手法だが、
(ただのカットバックものになりがちだから)
発想の道具として持っていると役に立つ。


時系列をいじること。

よくあるのは、全てが終わったあとの、回想形式だ。
「タイタニック」は、全てはローズの回想として語られる。
昔の小説にこの形式が多かった。
インタビュー取材、という形式がそのまま奇想天外な話へ、
のパターンだ。

変形では、回想はミッドポイントまでで、
そこからは時系列どおりに進むとか、
回想はクライマックス直前までで、
クライマックスは時系列、とかだ。

漫画「ポーの一族」も、時系列がバラバラだから面白いのかも知れない。
漫画「ファイブスターストーリーズ」もだ。
(俺はエルガイム当時からのファンなのだが、進まないにも程がある!)

ミステリーとは、現在の時系列より前に起きた出来事を、
現在の時系列で追う構造の物語を言う。
その意味でも、時系列をいじりやすい形式だ。

「パルプ・フィクション」や、「メメント」が、
時系列通りに語られていたら、あそこまで面白くはならなかっただろう。
時系列をいじるだけで、
ループものはすぐに書ける気がする。

あなたの思いついたプロットがとても平凡だとしたら、
語る順番を変えることを試してみよう。
回想形式にしたり、
途中やラスト近くからはじめて、遡ってみたりしてみると、
斬新な見えかたになる可能性もある。

実はこうだったのだ!という系の話は、
そのソフトな形といえるだろう。
時系列通りにやったら、ネタバレになってしまうからだ。


対称形にすること。

あるものとあるものが、対比的、対称的になるように、
ストーリーラインを組んでいくこと。
善と悪を同じぐらい描く話は、このことだ。
(ドラマ風魔は比較的これを意識している)

全く関係ないと思われていた、対比的な二つの事情が、
ある事件で交差する、などは浦沢直樹がよくやるやり方である。

キャラクターやシチュエーションで対称形を組むのはよくあるが、
ストーリーラインで対称を組むと、なにやら運命的なものすら感じるものだ。
クリストファー・ノーランはそれが大好きのようだが、
いつもそれが混ざりきらず分離したまま終わることが多い。



勿論、これらを組み合わせても構わない。
タイムスリップものは、容易に時系列をいじれるので、
僕は大好きである。
(タイムパラドックスの発生との戦いになってしまうけど。
おすすめは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と、
「バタフライエフェクト」だ)

勿論、現在の時系列、主人公だけを追って、
面白い話が出来るのなら、それに越したことはない。
それに至らないときの、変化球のつけかた、
だと思うとよい。
posted by おおおかとしひこ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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