前記事の続き。
よいアイデアを出すためには、
それが何工程あるかを把握することだ。
今そのアイデアを出しても手遅れ、
ということが、工程を踏む作業には必ずある。
衣装ヘアメイクをこうしよう、という段階の時に、
ストーリーの時代設定を変えよう、というアイデアは手遅れだ。
髪の色を染めるのか軽く切った方がいいのかについて
アイデアを凝らしているときに、
よしこれは江戸時代の話にしよう、はアイデアではない。
その工程のアイデアは、
以前までの工程のアイデアを叶えながら、
なおかつ次の工程を豊かにするものでなければならない。
映画やCMでいえば、
最終的には売れることだが、
それ以前に、心を動かすことだ。
その心の動かし方の根本のアイデアが、
階層として一番上だ。
テーマやコンセプトの部分である。
それをどのようなモチーフで示すかが次の階層で、
それのプロットが次の階層だ。
更に具体的執筆や、
実製作の工程がある。
それぞれの階層、工程で的確なアイデアを出すためには、
全ての工程を把握した上で、
上の階層、前の工程のアイデアを満足させ、
下の階層、次の工程を豊かにするような、
素敵なアイデアを出す必要があるのだ。
たとえば某現場の話。
徹夜続きの冬場のスタジオ撮影のときに、
冷たい弁当ばかりじゃあれだろ、と、
某制作進行氏がラーメン屋台に交渉し、一晩借りきった、
という伝説がある。
これも撮影進行という工程でのアイデアだ。
アイデアマンになろう。
それは、世の中のアイデアに詳しい人になることだ。
どのようなアイデアが世の中に転がっているか知っていれば、
別の場面に応用することが出来る。
他人のアイデアに敏感になろう。
これはこのようなアイデアのもとに作られている、
と自分なりの言葉で把握しよう。
以前にも書いたが、アイデアは必ず日本語の形で書ける。
それは、アイデアとは考えだからだ。
考えは、あなたの母国語でやるべきだ。
映画のアイデアを考えたいなら、
世の中の映画は、どんなアイデアから作られているか研究しよう。
プロットのアイデアを考えたいなら、
世の中のプロットは、どんなアイデアから作られているか研究しよう。
キャラクターのアイデア、台詞のアイデア、ディテールのアイデア、
そもそもテーマというアイデア。
世の中には沢山の映画があり、
それは古典の歴史を持ち、さらにそれは文学や物語の背景歴史をもつ。
それがどのようなアイデアから成り立っているか、
自分の言葉で言えるようにしよう。
そのとき、そのアイデアが応用できるようになるだろう。
勿論、映画というものは、世の中の下位階層だから、
世の中にどのようなアイデアがあるかも、意識しよう。
アイデアはどうやったら出ますか、という初心者の質問は、
自分の中だけでしか考えない、
世の中をぼーっとしか生きていない、ぼんくらの質問だ。
2015年01月27日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック