2015年01月28日

切ったものを戻す

執筆時に何気なく切った部分は、
あとで使える重要な伏線だった。

こういうことはよくある。
リライト時に、きちんと混ぜこんで復活させるべきだ。


何故その描写を切ったのか。
多分短いからだ。
あるいは段取りが長くなると思ったから省いたのだ。
重要ではないと思ったからだ。

ところが、伏線とは、何気なく一見重要でなかったことが、
あとあと重要になってくることである。

つまり、それは伏線の資格があったのである。
観客どころか、作者すら「一見重要でない」と思ってしまったのだ。


執筆を終えてリライトにかかるとき、
クライマックスを頭のなかで想像する。
そこに至る伏線を考える。
なるほど、これが効いていたのか、などだ。
(てんぐ探偵20話妖怪横文字では、冒頭の恥という言葉が伏線になっている)

今執筆中の五集のリライト中で、それに関係する伏線を、
執筆時に忘れてしまっていたことに気づいた。

これを復活させたとき、
他の要素を削ることをオススメする。


かつて削って他のもので埋めたのだから、
復活させたのならそれ以外を削ることを検討しよう。
分量的にとんとんにすることを考える。
さもないと、要素が増えてややこしくなるだけだからだ。
そもそも煩雑だと思って切ったところは、
話が複雑になっているところだから、
復活させたら他を切ることで、バランスを取ろう。


何を切り、何を復活させるかは、
最後まで書かないと本当にはわからない。

その時にはじめて、ストーリーへの重要度がわかる。

結論からの逆算、ということはそのようなことも含む。


ストーリーに重要なものを残し、
ストーリーに重要でないものを切っていく。

それは結局、これはなんのストーリーか、
ということがきっちりしていないと不可能だ。

(しかも、これはなんのストーリーか、が確定するのが、
最後まで書いたときなのだ。つまりこれはループする。
リライトの終了は、それがもうリライトする必要がなくなったとき、
というループ終了以外にないのである)
posted by おおおかとしひこ at 12:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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