リライトをするとき、
全体を三幕に区切る、
第一ターニングポイントと第二ターニングポイントを抽出し、
三幕それぞれのページ数を出し、
それを元に構成を直す方法を紹介した。
実はこれには穴がある。
第一ターニングポイント、第二ターニングポイントを、
間違えることがあるのだ。
以前のリライトの実践編でも、
妖怪横文字のケースで、
第二ターニングポイントを見誤ったことがあった。
自分で書いている話なのにも関わらず、だ。
これを見誤ると、そもそも三幕のページ数が変わってしまい、
リライトの方針がまるで違うという悲劇が起こってしまう。
つい昨日も、そのようなことがあった。
何故第一第二ターニングポイントという、
大構造を誤るのだろう。
それはリライト中の最大かつ中心問題、
「このストーリーは何か」が、
完全に確定していないからである。
ストーリーが何か確定しない限り、
何が序盤で何がクライマックスなのか、
本当には確定しないのだ。
だから間違うこともあるのだ。
思っていた所より、
前かあとに、本物の大ターニングポイントが隠れていることもある。
それは、引いた目でなければ見つけることが出来ない。
序盤の終わりと、中盤のはじまりは、
なかなか見つけにくい。
明確にここ、というのがない限り、ひとつ前のシーンなのか、後のシーンなのか、
曖昧になることがある。
見付け方は、センタークエスチョンである。
「この問題を、果たして解決出来るのか? 続く!」
という場面を探そう。
「この問題」が小さな問題ではなく、
ストーリー全体の問題である場面を探そう。
(例えば妖怪横文字の全体の問題は、
妖怪退治であり、先生から依頼が来たことではない)
全貌が見えるのは後半のこともあるから、
全体の問題の一部に、踏み込んだ瞬間でよい。
もしそこがだらっとしているなら、
そこをドラマチックに書き直すリライトを考えるとよいだろう。
様々な名作を見て、第一第二ターニングポイントだけを収集して研究する、
というやり方だってあるはずだ。
同様に、第二ターニングポイントは、
この話のクライマックスは何かを考えるとよい。
そのクライマックス直前に、
「いよいよ最後の対決だ」という場面があるとすると、
それが第二ターニングポイントだ。
あるいは、「これさえクリアすればこの問題に片がつく」でもよい。
いずれにせよ、センタークエスチョンが再び意識に登る瞬間である。
(ちなみに今書いている25話妖怪別人格では、
第二ターニングポイントがだらだらしていたため、
別のより劇的なターニングポイントを、
第二ターニングポイントと勘違いしてしまった。
そのため、三幕構成の尺の計算を間違え、
削るべき所、足すべき所の見積もりを誤った。
途中で変だなあと思い、
あらためてセンタークエスチョンから逆算して、
だらだらしているパートが、
本来第二ターニングポイントとして劇的になるべきだ、
と気づいたのである)
さて、ということは、
センタークエスチョンが何かが、
作品のなかで一本の筋が通っていなければならないことになる。
勿論、センタークエスチョンはずっと同じ形ではない。
謎が次々明かになるタイプなどでは、
時々のセンタークエスチョンは形を変えうる。
(実写風魔では、夜叉八将軍殲滅から、飛鳥武蔵を倒すに変わる)
それら形を変えるセンタークエスチョンを、
抽象的に一言で言うと何か、
が本当のセンタークエスチョンだ。
(実写風魔では、白凰学院の再興。夜叉や誠士館の壊滅ではない)
各ターニングポイントで意識されるセンタークエスチョンは、
本当のセンタークエスチョンの、部分問題であることがあるのだ。
つまり、
本当のストーリーは何かを見るには、
本当のセンタークエスチョンは何かを、
確定しなければならないのだ。
これはとても簡単な言葉で言えることが多いので、
え、ぶっちゃけてそんな簡単なこと?と、
拍子抜けしてしまうことがある。
それでよい。
そんな簡単なことに帰着させることが、
ストーリーを一言で言うということである。
それを言えたとき、
第一ターニングポイントと、第二ターニングポイントの役割が、
はじめて確定し、
一幕、二幕、三幕の三幕構造が確定するのである。
多くのリライト過程では、
実はこの三幕構造の真の確定がままならないことが多い。
最初に想像していた三幕構成と、
今出来上がっている三幕構成が異なることもある。
どちらがよいか、あるいは第三の結論がよいかは、
結局、このストーリーとは何か、
が決めることなのである。
別人格の話を例に具体的な話をしてみたいが、
発表後余裕があったら、
またこの話題に戻ってきます。
第一ターニングポイントは、本当の第一ターニングポイント?
第二ターニングポイントは、本当の第二ターニングポイント?
ひょっとしたら、間違ってるかもよ?
別のものを第一第二ターニングポイントにしたら、
三幕構成がスッキリするかも知れない。
その三幕構成なら、こういうストーリーになる、
という形が。
だとしたら、その形に、理想的に近づけていくべきである。
2015年01月29日
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