2015年02月04日

紆余曲折のやり方

とくに二幕の展開部。
二転三転、七転八倒。

この紆余曲折を作り上げることは大変難しい。
練り上げる経験、才能の二つが揃わないと難しいと思う。

紆余曲折のコツを、ひとつだけ書いてみる。


ある状況やターニングポイントに向かうとしよう。
たとえば次のターニングポイントが成功だとする。
つまり、このブロックは、
あることが成功する、という劇的文脈で書かれることになる。

これに紆余曲折を加えてみよう。
半分に割る。

真ん中に、真逆を入れる。

つまり、大失敗を真ん中に入れる。
前半戦は努力するのだがどんどん失敗へ向かい、
どん底まで来たとき、何かが起こって本来の成功への道筋に戻るのだ。
真っ直ぐ行かず、寄り道をするイメージだ。
寄り道では中途半端だから、
真逆の状態へ寄り道する、
すなわち上へ下への大騒ぎにするのである。

スタート→大成功なら、スタート→大失敗→大成功。
スタート→大失敗なら、スタート→大成功→大失敗。
真ん中に真逆を入れることで、
ジェットコースターみたいな急転直下の展開になるはずである。


自作の例を。
最新作てんぐ探偵五集25話、妖怪別人格から。

銭湯の上から見て追加8人、計13人並べる
→24人目のシンイチが分裂する
の一連を、ワンブロックとして考えよう。

最終稿以前では、このワンブロックの劇的文脈は、
「13人が分裂を繰り返して大混乱、
のちの伏線も張りつつ、ついにシンイチ1号からも分裂が」
というものだった。

このときのシンイチの気持ちとしては、
大混乱→これは全員オレ?と気づく流れだった。

これに、紆余曲折を挟んだ。

大混乱→こんなのオレじゃない!→これは全員オレ?
にしたのだ。

物凄く成功した流れではないが、
スパイス程度に効いていると思う。

一端このように寄り道すると決めれば、
こんなのオレじゃない!を盛り上げるように前半戦を組み、
そこから劇的にこれは全員オレ?に持っていけばよい。
全体の分量から見て、
そこまで膨らませることなくてよいかと判断し、
紆余曲折の降り幅はそこまで大きくせず、
最終稿のスパイス程度にしておいた。


たとえば真っ直ぐ流れる川をイメージしよう。
それに土木工事を施し、
真ん中で曲げるイメージだ。
流れが急であればあるほど、
曲がったところから大きく蛇行し、
もともとの流れを逸脱し、川の流れをどんどん変えて、
最終的には元の流れに合流する、
そんな感じ。
蛇行の大きさが、紆余曲折の程度である。

紆余曲折を除くのは逆に、
間の寄り道を抜いて、真っ直ぐな川に戻してやるとよい。



物事はストレートにいかない。
その紆余曲折が面白いのだ。
逆を入れたら、またその間に逆を入れてもよい。
そうやって乱高下するジェットコースタームービーをつくることが出来るだろう。
上から下へ、下から上へを、
意図的に工夫して入れ込んでいけばよい。

妖怪別人格の下調べとして、
「脳内ポイズンベリー」を読んでみたが、
多重人格の表現よりも(月並みかなあ)、
上から下へ、下から上へ、の展開のジェットコースターぶりが、
読んでて参考になった次第。
posted by おおおかとしひこ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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