2015年02月22日

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」を酷評してみる

ちょっと見なきゃいけないことになり、遅ればせながら見てみた。

あの映画をいいと言う人は、
映画の何を見てるのだろうか?

僕は2点(100点満点)程度だと思うのだが。


冒頭のシーンは完璧だ。
あの一瞬で心をわしづかみにする、
最初の5分は絶賛に値する。
そこからのオープニングクレジットもご機嫌である。

久々の当たりを引いた、と思わせる出来だ。

が、そのクオリティはそこまでだった。


その後のオーブを巡る戦闘ですぐに飽き、
刑務所に収監される頃にはどうでも良くなっている。
脱獄しようが、降下を金色のネットで止めようが、
完全に白けている。
アイアムグルートからの、ウィーアーグルートは、
素晴らしい台詞だったが、
主人公の出生が明かされるラストに至っては、
ご都合主義も甚だしい。

ラストのプレゼントを開けるのは、
ちょっとぐっときた。


つまり、ブックエンドテクニック、
主人公と母のエピソードで挟まれた、
冒頭とラスト、その外側が良くて、
挟まれた中身が、ちっとも面白くない構造なのだ。

サンドイッチに例えれば、パンは旨いが肉は腐っているというべきか。


あの中身を楽しめるのは、
あまり映画を観たことのない、
あまりいい漫画を見たことのない、
子供だけではないだろうか。

「自己犠牲によってパーティーを先に進める」
というグルートの役割なんて、
香取石松が30年前に阿修羅一族戦でやったことだぜ?
(まあもっと前もあるだろうね。
その最初に出会うパターンとしては、悪くないかもだが)

そして最大の問題。

唯一まともな映画になっている、
その冒頭とラストのブックエンドが示す「意味」が、
「主人公はマザコン」
以外にないのである。


え?これ何がオモロイの?

CGが派手なだけなのはもう飽きたよ。
金かけりゃ出来るのは分かったからさ。
もっと本物のヒーローものを見せてくれないか?

スパイダーマン1、2、キックアス、アイアンマン1、
Xメン1とファーストジェネレーション。
(評判のよいウィンターソルジャーはまだ見れていない)
マーベルに限らないならボーンシリーズや
ミッションインポッシブルシリーズ。
ついでに「ムトゥ踊るマハラジャ」も入れていい。
(もう少し範囲を広げていいなら、
グラディエーターやコナンザグレート2も入るだろう)
これら並の、本物のヒーローものをみせてくれ。

ヒーローものに必要なのは、
「何故闘うのか?」
そのただ一点だ。
全然足りねえ。俺にヒーローものを見せてくれ。
そうじゃないと、
そろそろミッドポイントに来た「てんぐ探偵」が追い越すぞ。


ちなみにヒーローものかつB級ものの最高傑作には、
SFコメディ「ギャラクシー・クエスト」、
及びその元ネタの西部劇「サボテン・ブラザーズ」がある。
オススメだ。しかも本物のヒーローものだ。
未見ならどうぞ。
(2/23追記:同じ構造を音楽ものでやった、「スクール・オブ・ロック」
という傑作を書き漏らしておりました。追加しときます)
posted by おおおかとしひこ at 19:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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