ちょっと見なきゃいけないことになり、遅ればせながら見てみた。
あの映画をいいと言う人は、
映画の何を見てるのだろうか?
僕は2点(100点満点)程度だと思うのだが。
冒頭のシーンは完璧だ。
あの一瞬で心をわしづかみにする、
最初の5分は絶賛に値する。
そこからのオープニングクレジットもご機嫌である。
久々の当たりを引いた、と思わせる出来だ。
が、そのクオリティはそこまでだった。
その後のオーブを巡る戦闘ですぐに飽き、
刑務所に収監される頃にはどうでも良くなっている。
脱獄しようが、降下を金色のネットで止めようが、
完全に白けている。
アイアムグルートからの、ウィーアーグルートは、
素晴らしい台詞だったが、
主人公の出生が明かされるラストに至っては、
ご都合主義も甚だしい。
ラストのプレゼントを開けるのは、
ちょっとぐっときた。
つまり、ブックエンドテクニック、
主人公と母のエピソードで挟まれた、
冒頭とラスト、その外側が良くて、
挟まれた中身が、ちっとも面白くない構造なのだ。
サンドイッチに例えれば、パンは旨いが肉は腐っているというべきか。
あの中身を楽しめるのは、
あまり映画を観たことのない、
あまりいい漫画を見たことのない、
子供だけではないだろうか。
「自己犠牲によってパーティーを先に進める」
というグルートの役割なんて、
香取石松が30年前に阿修羅一族戦でやったことだぜ?
(まあもっと前もあるだろうね。
その最初に出会うパターンとしては、悪くないかもだが)
そして最大の問題。
唯一まともな映画になっている、
その冒頭とラストのブックエンドが示す「意味」が、
「主人公はマザコン」
以外にないのである。
え?これ何がオモロイの?
CGが派手なだけなのはもう飽きたよ。
金かけりゃ出来るのは分かったからさ。
もっと本物のヒーローものを見せてくれないか?
スパイダーマン1、2、キックアス、アイアンマン1、
Xメン1とファーストジェネレーション。
(評判のよいウィンターソルジャーはまだ見れていない)
マーベルに限らないならボーンシリーズや
ミッションインポッシブルシリーズ。
ついでに「ムトゥ踊るマハラジャ」も入れていい。
(もう少し範囲を広げていいなら、
グラディエーターやコナンザグレート2も入るだろう)
これら並の、本物のヒーローものをみせてくれ。
ヒーローものに必要なのは、
「何故闘うのか?」
そのただ一点だ。
全然足りねえ。俺にヒーローものを見せてくれ。
そうじゃないと、
そろそろミッドポイントに来た「てんぐ探偵」が追い越すぞ。
ちなみにヒーローものかつB級ものの最高傑作には、
SFコメディ「ギャラクシー・クエスト」、
及びその元ネタの西部劇「サボテン・ブラザーズ」がある。
オススメだ。しかも本物のヒーローものだ。
未見ならどうぞ。
(2/23追記:同じ構造を音楽ものでやった、「スクール・オブ・ロック」
という傑作を書き漏らしておりました。追加しときます)
2015年02月22日
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