要するに、物語とは、
なぜそんなに必死なのか、その理由を作り出すことなのだ。
リアルだろうが、嘘っぽかろうが。
(古い映画だが、塚本晋也「鉄男」なんて、
「必死」以外はない一点突破映画である。
僕らの同世代は影響されたものだ)
この意味で、
主人公とは、殆どの場面で必死でいなければならない人のことである。
勿論、どっかでホッとする場面もあるだろう。
そうじゃないとずーっと不安な人になってしまう。
それは作者的にも精神的にキツイ。
だからどこかで息抜きすることはやぶさかではない。
ところが、真にホッとするわけがない。
どんなに安心しても心を緩めても、
センタークエスチョンのことが、
なくなったわけではない。
T2は基本的に必死でずっと戦う話だが、
中盤、唯一給油所みたいな所でホッとする。
ホッとするが心底ではないところに注意。
時代が時代なら、息子とロボットは父子になれたかも、
なんて夢想は、現実逃避にすぎない、
と分かった上でのホッと加減である。
真にホッとするのは、事件の解決したあとしかない。
(T2は更に戦いが待っている体で終わるけど)
それまで、主人公は真の意味で安眠出来ない。
心のどこかで、戦闘状態、緊急事態が続いているはずだ。
主人公以外は完全に抜けてもいい。
主人公に近い人間は違うかもだが。
何故お前らそんなに必死なの?
その理由こそ、物語の本質かも知れない。
(動機や目的よりも、もっと切実だろうね)
2015年03月05日
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