2015年03月05日

必死な主人公

要するに、物語とは、
なぜそんなに必死なのか、その理由を作り出すことなのだ。
リアルだろうが、嘘っぽかろうが。
(古い映画だが、塚本晋也「鉄男」なんて、
「必死」以外はない一点突破映画である。
僕らの同世代は影響されたものだ)


この意味で、
主人公とは、殆どの場面で必死でいなければならない人のことである。


勿論、どっかでホッとする場面もあるだろう。
そうじゃないとずーっと不安な人になってしまう。
それは作者的にも精神的にキツイ。
だからどこかで息抜きすることはやぶさかではない。

ところが、真にホッとするわけがない。
どんなに安心しても心を緩めても、
センタークエスチョンのことが、
なくなったわけではない。

T2は基本的に必死でずっと戦う話だが、
中盤、唯一給油所みたいな所でホッとする。
ホッとするが心底ではないところに注意。
時代が時代なら、息子とロボットは父子になれたかも、
なんて夢想は、現実逃避にすぎない、
と分かった上でのホッと加減である。

真にホッとするのは、事件の解決したあとしかない。
(T2は更に戦いが待っている体で終わるけど)

それまで、主人公は真の意味で安眠出来ない。
心のどこかで、戦闘状態、緊急事態が続いているはずだ。


主人公以外は完全に抜けてもいい。
主人公に近い人間は違うかもだが。



何故お前らそんなに必死なの?
その理由こそ、物語の本質かも知れない。
(動機や目的よりも、もっと切実だろうね)
posted by おおおかとしひこ at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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