テンポがいいとか悪いとか、
どうやって決まるのだろうか。
ラップで喋ればテンポがよくなるのか。
音楽に乗せればテンポがよくなるのか。
違う。
それで持つのは3分ぐらいまでで、
2時間のテンポをコントロールすることではない。
テンポは、話の展開のスピードのことだ。
お話には、情報の提供の順番がある。
これとこれを説明してから、これがあって、などだ。
この情報の提供がよく整理されて、
観客の思考のスピードと丁度合っているとき、
テンポがいいという。
テンポが速いのは、
情報の提供がよく整理されていて、
省略が上手く効いている状態だ。
或いは、不足していて、観客をおいてけぼりにしているかも知れない。
ジェットコースタームービーとは、
テンポが速く、こちらが考えるまもなく事態が進展することである。
急転直下、などとも言うしね。
予測を越えるスリルがあり、
理想ではあるが、内容がすかすかになったり、
情報の提供が不十分なため、
その後の展開に必要なものを伏線として置ききれず、
あとあと困ることも多い。
(息切れ)
観客は考える。
情報を提供されたら、
あれはああだろうとか、これはこうに違いないとか、
あれの向こうは今は見えていないがこうだろうとか。
それを丁度いいテンポでやるのが理想だ。
それを麻痺させるほど素早く展開するのが、
怒濤の展開や速いテンポやジェットコースターだ。
逆に、遅いテンポは?
観客が退屈しているということだ。
情報を提供されて、こうなるだろうなと予測してるのに、
なかなかそうならなくて、退屈するのである。
退屈だけとは限らない。
意図的に遅くすることもある。
ホラーではなかなか出てこないモンスターの恐怖はあるし、
恋愛ではなかなかチャンスが来なくてやきもきすることはある。
インテンポから突然スローダウンして、
注意を引き付けて、ドキドキさせてから、
急にテンポを上げるのは基本だ。
テンポ感を鍛えるには、
自分の原稿を朗読するのがよい。
それでリズムが分かる。
ペースが速いとか遅いとかは、
リアルタイム時間の感覚だからだ。
今一体何が起こっているのか、
ちゃんと把握してるかどうかが、テンポを決める。
テンポは何で決まるのだろう。
単位時間当たりの事態の進展度合いか。
否である。
そんな客観的基準なら、戦争ものが一番テンポが速いことになる。
主人公の気持ちの揺れのスピードである。
それが速ければテンポが速くて、
それが遅ければテンポが遅い。
数値化は出来ないが、
主人公が100の感情を行き来する2時間と、
3の感情しか行き来しない2時間では、
テンポの速い遅いは明確に出るだろう。
物語は、感情移入が起こっている。
感情のテンポなのである。
2015年03月17日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック