ひとつ思い出したので追加。
「あだ名をつける」という有効性について。
質問から外れるかも知れないけど、
物語である程度重要なものについては、
あだ名をつけることがある。
ラインカーが重要なシナリオの場合、
いつまでたってもラインカーでは馴染まないので、
たとえば「白線引き」とか、
いっそ「白線流し」とあだ名をつけてしまうのだ。
物語中で皆がそう呼んでいれば、
誰もが校庭に白線を引くアレを指す名詞であることは分かる。
親切にするなら初登場のときに少し説明を加えるとよい。
ガンダムにおけるホワイトベースを「木馬」と呼ぶことや、
赤い特別強いザクを「赤い彗星」と呼ぶこと。
(ホワイトベースやシャアの搭乗機という正式名称が分からない、
敵方のコードネームだが、
この命名のほうが直感的に分かりやすくなる)
最近だと「パシフィックリム」で、
二人のパイロットの精神を繋げることを、
「ドリフト」と呼ぶ、直感的なあだ名があった。
あだ名は、直感的な名前だ。
名が体を表すようにつける。
ラインカーや四阿なんて直感に反する名前より、
もっと皮膚感覚で呼べるようにするべきである。
宅配便より宅急便のほうが直感的(馴染みがある)だが、
実は宅急便はクロネコヤマトの登録商標だった。
無断には使えないのだ。
(原作「魔女の宅急便」はそれを知らないまま、直感的に書かれた)
映画公開時に、クロネコヤマトと組んでキャンペーンをすることで、
お互い商売に結びつけようぜ、と話を持っていき、
宅急便の名前を維持した鈴木Pは、えらい。
もちろん、あだ名には他の目的もある。
「独眼竜」なんてのはカッコつけの下駄を履くのも含むし、
達也を「たっちゃん」と呼んだりするのは、愛情表現(子供っぽい甘えも)も含む。
上で議論したのはこのことではない。
「分かりにくい概念に触れたとき、
人は分かる範囲で適格な名前をつけて理解しようとする」
ということを指している。
先の話だが、てんぐ探偵40話に転校生が来る。
彼の名は結城礼一。幽霊が見えるオカルト的な能力がある。
そこでクラスの人気者になり、
「ユーレイ」という名前もじりのあだ名で呼ばれる。
勿論逆算で、ユーレイのあだ名になるように結城礼一とつけている。
この複雑な名前より、ユーレイのほうが理解しやすい。
あだ名とは、そのように機能する。
白線流しが、一番いいあだ名かどうかはとりあえずおいておく。
いいネーミングを見つけられたら、それはとてもいい仕事をしたことになる。
2015年03月18日
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