モブとは、群衆などを指す言葉で、
背景にうつる、誰でもない通行人レベルのことを指す。
スタジアムの観客や、駅にいる人々など広い場所だけでなく、
クラスの主要キャラ以外のメンバーもモブという。
ドラえもんなら、Aと書いた帽子の奴とデブの、
準レギュラーモブがいるよね。
ガンダムならジョブジョンはモブだろう。
さて本題。
どんなに出演場面が多かったり、台詞があったとしても、
モブと変わらないことがある。
それは、ストーリーにおいて、
重要なターニングポイントに関わっていないときだ。
例えばホラー映画で、
どうしましょうと困ったり、叫ぶだけの役の女は、
どんなに出演時間が長くても、
どんなに台詞があってアップが長くても、
モブである。
言葉の定義ではなく、
モブキャラと変わらないという意味でだ。
例えば風魔では、
殆どの風魔一族は、活躍回以外はモブである。
色々意味ありげな台詞を言ったりしてもだ。
物語の主筋に関わらない限り、
それは主要キャラではない。
あるいは、原作漫画においては、
主人公小次郎は後半モブだ。
活躍場面以外は、何もしていない。
さて、モブでないことに必要なのは?
焦点を変えるターニングポイントで、行動していること。
どんなに解説台詞があったとしても、
行動を起こさない限り、
それはモブでしかない。
モブには感情移入出来ない。
逆に、感情移入するのは、
行動を起こすときである。
もし、どうにもこのキャラが目立たないなあ、
という自覚があるのなら、
台詞を増やしたり登場場面を増やすのは愚策だ。
行動させること。
しかもストーリー進行に関わる行動をさせること。
例えばキン肉マンのジェロニモは、
ただの驚き係であり、
どんなに登場回数が多かったとしてもモブだ。
悪魔将軍の秘密を暴いたり、
ミート君の肉体をゲットしたり、
ストーリー進行がそれで左右され、
焦点が変わる行動をしたときのみ、
モブではなくなる。
脚本のリライトにおいて、
これは意識しているとよい。
何かを削ったことで行動場面がなくなり、
ただ喋るだけのキャラになってしまうことが、
群像劇などにはよくある。
(例えばるろうに剣心で、蒼井優の役は何もしていない)
そのキャラの行動が主筋に影響を与えることが、
主要登場人物でいることだ。
また、ある役者の出番を増やしてくれという要求に対し、
主要な進行に関わらせず、リアクションや説明台詞をいう係にさせれば、
主筋を変えることなくその役者の出番を確保できる、
という裏のテクニックも実戦では役に立つ。
ちなみに風魔の最終回では、霧風、小龍、劉鵬の台詞を書く余裕がなかったため、
無理矢理ラストに台詞を言わせた。
ないよりはあったほうが良かったレベルだけど。
しかしこの三人に、主筋に関わるほどの時間的余裕はなかったのは確かだ。
もうちょっと尺があれば、何か出来たかも。
例えばてんぐ探偵では、
シンイチが何もしなくても、
人々が勝手に解決しそうになることがたまにある。
そこでシンイチの介入がストーリーのターニングポイントになるように、
工夫をすることがある。
第27話妖怪センターでは、「スタッフをやらせてみたら?」と、
シンイチが発言することで、ようやく主筋に関わるようになっている。
これがなければ、シンイチは危うくモブだった。
最初に「脇役は?」というサジェスチョン以外、
ターニングポイントに関わらなくなってしまう。
たとえシンイチ目線で話が進行したり、
妖怪を派手に斬ったり、妖怪の名前を告げたりしてもだ。
モブかどうか。
時々出番ねえなあこいつ、と思ったら、
行動をチェックしてみよう。
2015年03月19日
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