2015年03月19日

今電車で酷い広告を見た

WOWOWのドラマの中吊り。「十月十日の進化論」。

メインコピー
「胎児は、十月十日で、生命の30数億年の進化を再現する、らしい。」

ボディコピー
「奔放で、マイペースで、不器用な主人公・鈴が、
命を宿したことで周囲を取り巻く人々と
次第に心を通わせていくハートフルストーリー!」

ひどい。ちっとも面白そうじゃない。
WOWOW潰れるだろこれじゃ。



メインコピーからぶったぎろう。

まず長い。覚えられない。
覚えきれなくて、検索したぐらいだ。
そもそも、
「子宮の中で生命の進化過程と似たような形で、
細胞が分化していく」という事実を、知らない人はどれくらいいるのだろう。
理系なら全員知ってるレベルだ。

想定視聴者である、30代女子の知的レベルからすれば、
知らないほうが多いかも知れない。
にしても、それは「十月十日の進化論」というタイトルと、
被りすぎてやしないか?
知ってる人はタイトルで想像できるから無駄だし、
知らない人は「へえ!面白い!」と思わないと思う。
ましてや、見てみたい!とまで思わないだろう。
だって豆知識を得ただけだもの。

キャッチコピーは、相手を捕まえなくては意味がない。
科学知識を得たことが、なんになるだろう?

第一、文章が下手だ。

「胎児は」と始めるのは作戦?嫌悪感が先に出るよ。
赤ちゃんは、で始めたほうが柔らかいと思うけど。
30数億年の「数」いる?
30億年でいいでしょ。
数字なんてなくてもいいぐらい。
十月十日と対比させたいなら、物凄い長い間が分かればいいんだから、
何十億年でもいいと思うよ。
最後の「、らしい」はいる?
断言でいいじゃん。

コピーを書いてる人の自信のなさが透けて見える。
数とからしいとか、曖昧にしてんじゃねえよ。
コピーってのは、ガツンと主張するもんだ。
主張に責任を持つものだ。
何故なら、物語とは、テーマが結果的に主張になるからだ。
それを短くまとめたはずのキャッチコピーが、
おろおろしててどうするのだ。

そもそも、何のどんな話なのだろう?

ポスターを見る限り、
妊活(田中圭に中だし狙いで、結婚しなくていいから、
赤ちゃんは欲しいということだろう)をした女子が、
十月十日間の妊娠期間の間に、
いろいろな個性的な人々と関わりあうことで、
それまで持っていた自分のわだかまりや、
固定観念を崩される成長話だと想像できる。
十月十日で赤ちゃんは現在までの30億年分をやるんだ、
命って凄いや、ということを知り、
自分は人間として進化することと、
リンクさせようとしているだろうことが、
タイトルやボディを見れば想像できる。

きっとキャラの濃いコメディ風で、 最後は人情で泣かせる、
ほっこりした話に落ちるだろう。

とするとだ。
主人公の成長前の姿が、この話のテーマの逆になるはずだ。
ボディを見ると、「奔放で、マイペースで、不器用」?
三つは多すぎでしょ。
不器用だけでいいんじゃないの?

大体奔放でマイペースってなに?
ヤリマンで自分ルールの、我が儘女?
我が儘で不器用、と言えばまだイメージしやすいけど?

我が儘だったのが、
人と接したり、母親になるとはどういうことかを知ることで、
人を思いやることが出来るようになる、
という話かね。

それ、面白いのか?
なんかどっかで見たような話になりそうだぜ?
それが埋もれないための、
オリジナリティが、進化論ということだろうか。

浅すぎやしないか。

赤ちゃんは進化する。私も進化する。
という単純な話だろうか。


諸君!WOWOWのドラマ大賞はぬるいぞ!
今すぐ応募してドラマ化狙え!
いや待て!審査員がアホで、レベル低いのしか通らないかも!
いや待て!宣伝部がアホで、ドラマは凄いかも知れない!

もし見た人いたら、感想ください。我が家はWOWOWうつらないので。


さて。以上のような内容だとしても、
キャッチやボディは魅力的に書けるものだ。


その1:


十月十日の進化論

私の進化は、いつ止まったんだろう。

生命が誕生してから30億年分の進化を、
赤ちゃんは子宮の中でするんですって。
いのちって凄い。
私? いつから進化してないかなあ。
妊活女子が経験した、人としての進化のおはなし。
ハートフルな結末、待ってます。


その2:


十月十日の進化論

妊活は、母活でもありました。

赤ちゃんは生みたい。男はいらない。
でも一人じゃ、赤ちゃんは育てられない。
周りの人がいたから、私はなんとかなったのかも。
赤ちゃんて、子宮の中で30億年分の進化の過程を再現するんですって。
十月十日で進化するいのちが、
私をちょっとだけ進化させたの。




こういう文章が書けない、宣伝部が馬鹿ということにしておこう。
必死で物語を作っているスタッフに失礼すぎると思って、
義憤で書いてみた。
これでドラマも詰まらなかったら、目も当てられないが。

(結論がタイトルになってる予感がして、
そういうタイプは大抵詰まらないのだが…)
posted by おおおかとしひこ at 02:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

汚い誹謗中傷ばかりで心が痛いです。
作品を観ての感想ならまだしも、ご覧になられていないのにここまで悪く書けるものか、と不思議でなりません。
大岡様なりのお考えあっての、というのは理解できます。その時の精神状態などもあったのでしょうか。
しかし拝見する限り大岡様は作品作りをされている方のようなので、このようなただの中傷文の羅列は他の作品を蹴落としたいだけなようにしか私には思えません。
閲覧人数は少ないにせよ誰でも見られるブログに意見を書かれるのであれば、もう少し考えてから書いていただきたく思います。

ちなみに私は十月十日の進化論観ました。
大岡様のブログで予想されていたシナリオより遥かに温かく素敵なお話でした。
お仕事大変お忙しいとは思いますが、一度ご覧になってみて下さい。

長文、乱文失礼致しました。
Posted by カマキリ at 2015年11月10日 19:05
カマキリ様コメントありがとうございます。

僕が非難しているのは、東急線に貼られた中吊り広告の話です。
本編は見ていないです。
もし本編が素晴らしいのであれば、
益々その本編を上手く宣伝出来ていないということであり、
宣伝部は非難されるべきです。
だってこの広告で俺は見る気をなくしたもの。

物語を上手に宣伝するには、
その本質の理解が不可欠です。
WOWOWの宣伝部は、ぬるいと思います。
(本編の出来が悪いときでも良く見せるのが、
広告というものです)
誹謗中傷ではありません。

折角本編を死に物狂いで作っているスタッフに失礼です。こういう輩は許せんのです。


金払わないと見れないのかなあ。本編探してみます。
Posted by 大岡俊彦 at 2015年11月10日 19:52
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