物語が始まる前、
主人公は日常の世界で生きている。
(そしてそれは、大抵の場合出来れば脱出したいと願っている)
そこに、異物が現れる。
その結果、主人公の日常は壊され、それに関わらざるを得なくなる。
これを、何もない状態0から、
はじまりの1になった、と表現することにしよう。
その先を続け、物語を進めるには、2がなければならない。
0から1の状態になったとき、
主人公は、非常事態に陥るのだが、
このままでは、
1に慣れるか、1を処理して終了か、1から逃げるかして、
0に戻ることが出来る。
定常状態からあるエネルギーレベルに励起して、
また定常状態に戻る。
それが(他愛もない)日常である。
それが連続して起こることはなく、
大抵は一日で、0→1→0になり、風呂に入って寝るだけだ。
あるプロジェクトのような大きなことですら、
まあ数ヶ月といったところだ。
それが終われば1は0に戻る。
つまり、殆どの日常は、一次元上の軸を、
いって戻るだけである。
これは物語ではない。
これが物語になるのは、2の出現によってである。
2は、1と逆である。
どう逆かはとりあえず置いておく。
2は1のような性質、つまり0を1のような異常事態にする力もあるが、
1ではない。
1を踏まえた2である。
0から急に2はあり得ず、
1からの2だ。
そして、1と大抵真逆の性質をもつ。
だから、1と2の陰陽の車輪が回り始め、
3456を生んでいく。
それは、雪だるまが膨らんでいくように膨らんでいく。
物語は、1と2が逆の関係があることで、
回転し始めるのである。
何を言っているのか分からないだろう。
俺も具体例を思いつかない。
カタッ、と日常が異常へドリフトするだけでは、
物語は生まれないことを言おうとしている。
人はすぐに日常に戻ろうとする性質があるからだ。
むしろその安定的行動が、日常という強固に変わらないものを維持する力である。
物語とは、その異常から日常へバックせず、
1と逆の要素を持ち、その往復で0から離れていくような力を持つ、
2が起こることで、
雪だるまの芯が出来るのではないか。
0と1を結ぶ線の一次元の世界から、
それと垂直に交わる2があることで、
世界は発展的次元になってゆく。
そんなイメージだ。
ちょっと何言ってるのか、自分でも分からないが、
「物語はどうやってはじまるのか」
について考えていたら、
具体的にはてんぐ探偵の序盤のリライトをやりはじめたら、
そんなイメージが分かりやすくなってきた。
序盤とは、0が1になり、2と1の間が回転して、3456…へと膨らんでいくこと、
その方向がターニングポイントで変わり、次の大きな2になること、
そしてこれまでのことが1になり、その2と回転して、3456…となってゆくことの繰り返し、
みたいなことを言いたいのだが、
具体的な例まで落とし込めたら、またこの話をしようと思う。
あくまでもヒントということで。
2015年03月21日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック