ある人物が、ある気持ちPから、ある気持ちQへ変化したとする。
性格や人生観が180度変わってもいいし、
思っていたことが変わってもいいし、
気分が変わってもいい。
その変化をRとする。数学的には、Q=R(P)などと書けるだろう。
Rには何が必要か。
X:自分の行動による、状況の変化
Y:他人の行動による、状況の変化
Z:場の変化(特定の人によらないもの)
だと思う。
これをもう少し詳しく見てみよう。
Zには、天気が変わっただけから、
日本が不景気になったこと、
組織の改変など、
個人(その場の登場人物)ではいかんともしがたいことが入る。
人はこれで気持ちが変わるときがある。
雨が降ったから自殺する、ということもある。
晴れたから戦が勝機になることもある。
しかしこればかりやると、
周りの状況にフラフラと振り回されている人に見える。
Yは、その中でも、
特定の個人の、具体的行動や台詞や、存在そのものの場合だ。
嫌な気持ちになったり、いい気持ちになったりする。
これに対して、
なにか行動することを、脚本上のリアクションという。
(面白い顔をするとか、熱い!と大袈裟に転がるとかの、
いわゆるリアクションではなく、アクションのほうに重点がある)
Yのことで、PがQに気持ちが変わり、行動Xをすれば、
Q(またはY)が動機になる。
しかし、こればかりでは、
他人がけしかけない限り何もしない人である。
他人にフラフラと振り回されている人に見える。
Xはどうか。
自分の行動によって、成果(成功または失敗)があり、
それによって気持ちが変わる。
それが次の行動の動機にもなるだろう。
しかし、こればかりでは、
利己的な人に見えるかも知れない。
XYZのそれぞれの配分を考えよう。
その人は、どんな人だろう。
どんな状況に置かれた人だろう。
今どんな気持ちで、本当はどんな気持ちになりたいんだろう。
X:Y:Zの配分はどんなもの?
9:0:1なら、行動が利己的で、時々気分が変わる人だろう。
0:9:1なら、自分から何もしない人だ。
5:4:1あたりが、主人公の配分ではないだろうか。
男は7:3:0で、女は2:5:3ぐらいかも知れない、
積極的な人は7:3:0で、消極的な人は1:7:2かも知れないが、
それは人や状況によるだろう。
状況や気持ちが変われば比率も変わるだろう。
弱気なら自分の行動に自信はなくなるし。
あなたの物語は、誰が何回気持ちが変わるのか。
(ハリウッドでは、nシーンあるなら、n回変わるべき、
と教えるパターンもあるらしい。極端だが、参考になる)
それは、どのような理由によってか。
俯瞰して整理してみよう。
気持ちが全く変わらない人、変わる人、色々なバラエティーを出そう。
自分軸の場面、他人軸の場面、などのバラエティーを書こう。
世界は一色ではない。
バラエティーがあるのがリアリティーだ。
(それがある一瞬揃うのが、物語かも知れない)
もしそれが一色だとしたら、あなたは無意識のうちに、
同じことしか書いていないかも知れない。
これらを俯瞰することは、
物語の全体の印象を大雑把にとらえ、
いびつかどうかを判断することに使える。
今「11時X分の電車」のリライトをやっている。
Xが少なかったなあ、と反省して、書き直そうと思っている。
Zはがこの場合脱線事故や、冬彦にナンパされたこと。
Yは二人の男と、シンイチ。
心の闇に取り憑かれることは、気持ちの柔軟さを失うことでもあるから、
中々にバランスが難しいけどね。
2015年03月26日
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