2015年03月29日

映画監督になるためには、何を勉強すればいいですか?

映画監督には、二種類のタイプがあります。
新しいタイプと、古いタイプです。
どちらになりたいか、どちらが向いてるかを考えて、
勉強することを変えていきましょう。

新しいタイプは、脚本が既にあるものを監督するタイプ、
古いタイプは、脚本も書き、自分で監督するタイプです。


新しいタイプになりたいなら、
映像の専門家になることです。
ビジュアル、音楽、ファッション、おしゃれの最先端を知り、
その世界に詳しくなり、
具体的表現がどうやってるか、
その仕組みを自分でも作れるようになるべきです。
監督以外の技能も、身につけるとよいでしょう。

撮影、ライティング、編集、CG、音楽、キャラデザ、
美術、衣装、フォントデザイン、アニメーションなど、
得意分野があるといいです。
どれか突出したものがあれば、
そのパターンで一発屋になれます。
見かけ上の成功をしやすいでしょう。
そこから一時代を築くには、一発屋以外のネタも勉強しましょう。


古いタイプになりたいなら、苦難の道が待っています。

長いこと鍛える、古典芸能のような力が必要で、
身につけた頃、自分の個性がないことに気づく人もいるからです。
ただし、本当に成功するのはこのタイプです。
時代を変えることが出来るのは、このタイプだけです。

脚本を書けるようになってください。
面白く、人が唸る脚本をです。
あとは、現場にバイトで入るなり、
別ジャンルで、例えばドラマやCMディレクターになり、
映画に転身する手もあります。
面白い脚本を書けるようになるには、時間がかかります。
十年単位です。人生を棒に振るかも知れないので、覚悟がいります。
芽が出なかった時に備えて、転身先も考えましょう。
シナリオスクールの講師は、その典型です。

脚本を書けるようになるには、
人生勉強や、世界の知識や、古典の勉強も必要です。
映画の古典だけでなく、世の中にあるすべてのストーリーと呼ばれるものです。
全てを分かった上で、新作は作られるべきです。

今この手のタイプの需要は少ないですが、
それは才能がある人が少ないからです。

ハリウッドでは、脚本家出身の監督がいたり、
監督出身の脚本家がいたり、
バラバラの仕事を柔軟にやる人もいますが、
日本では専業傾向が強いみたいです。
脚本を書いたからには自分が監督する、
というスタンスでないほうが、
脚本は自在になることを知ったほうがよいでしょう。

どうすれば脚本を書けるかは、
少ないですが、色々な人が教えています。
このブログもそのひとつ。

脚本は、自主製作映画を一本作るよりは、
手間がかからずにつくれます。
ということは、監督専業の新しいタイプに比べて、
習作を沢山作れるのが強みです。
その試行錯誤の経験だけが、作家としての経験です。


映画は監督のものか、脚本家のものか?
僕は、脚本家と監督のものだと思います。
実際には、プロデューサーのものでもあると思いますが、
そこまでのプロデューサーには、個人としてまだ会ったことがないので分かりません。
風魔のときは、複合体としてプロデューサー陣が機能していて、
誰か特定の人じゃなく、全体に良かったです。



N人一組でもいいし、一人でやってもいいと思います。
(今は二人一組が流行ですが、
かつては一人が流行でした。今後今の流行が続くとは限りません)

あなたがどういう力があるかは、
あなた自身も分からないでしょう。
色々やってみて、違うなら別もやってみて、
向き不向きや、自分の隠された才能を彫り上げて見てください。
posted by おおおかとしひこ at 13:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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