さらに前からの続き。
物語は論文じゃない。
物語のテーマは論文のテーマではない。
だけど、参考になる話。
論文の書き方。
まず、結論を書きます。
紙の真ん中にたて線を引きます。
左のエリアの一番上に、結論を書きます。
線を挟んで右に、反論を書きます。
それへの反論を、左の下に書きます。
線を挟んで右に、それへの反論を書きます。
つまり、紙の上でディベートをするのです。
左が勝てばその論文は書けるでしょう。
右が勝つなら、その結論は間違いです。
もし書けるなら、
まず結論を書きます。
それを導く論を展開します。
そしてそれに反論します。
反論に反論し、以下繰り返し、どのような場合でも、
結論は揺るがないことを示しておしまい。
さて、これは物語の構造と似ている。
ファーストシーンがテーマを暗示することは推奨されている。
主人公は物語全体で、
あるテーマにたどり着いたり、
あるテーマを証明したり、
あるテーマを学んだりする。
それはあくまで結果的にだが、
問題とその解決の一連というストーリーが、
何の意味があったかを暗示する。
主人公には大抵敵がいて、それをアンチテーゼという。
主人公が最後にたどり着くテーゼの、
逆の立場の人のことだ。
論文における議論を、そのままディベートする訳ではないが、
基本的には、テーゼ対アンチテーゼとは、
上のやり方の左対右のことと同じなのだ。
反論の反論や、各論などが、
サブプロットのサブテーマになることに、
気づく人もいるはずだ。
敵は一人とは限らない。
右の反論を別々の人にされるかも知れない。
主人公は、それへの反論を、サブプロットの中ですることになるだろう。
物語のテーマは、
論文のように、ひとつに絞れるとは限らない。
僕は複数だと考えている。
だから論文のやり方のように、綺麗に行くとも限らない。
もし多角的な視点が苦手な人は、
そういうアプローチを試す手もあると思う。
でもストーリーでそれをやるんだよ。
主張合戦はストーリーじゃないよ。
主張合戦でストーリーにするなら、
「十二人の怒れる男」「情婦」
(いずれも白黒映画の傑作)並に面白くないと駄目だよ。
2015年04月01日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック