2015年04月06日

素晴らしいストーリーに欠かせない3つのもの

1 面白そうなビジュアル
2 引き込まれて、引きつけ続けられる展開
3 主人公の変化に影響されること


見る側からの三段階であり、
書く側からの三段階ではない。

書く側は多分、
(1→)3→2→1
の順番でつくると思う。

ストーリーはどうやって思いつくべきか?
という前記事からの文脈を引っ張ってくれば、
僕はこの三つが同時に思いつくこと、
だと考えている。
勿論頭からケツまでを全部思いつくのではなく、
核の部分でよい。

こういうビジュアルの、
こういう展開で、
こういうテーマの物語、
というのがいっぺんに、
セットで思いつくのが理想だ。

(てんぐ探偵は、まさにそれだった。
天狗と心の闇と少年探偵というビジュアル、
取り憑かれる→色んなやり方で外す→退治の基本展開、
心の闇が晴れる時、というテーマ性が、いっぺんに出た。
後々、炎というより深いテーマ性のビジュアルを追加したけど)


1 面白そうなビジュアル

変わったシチュエーション、
物語的な変なもの(宇宙人とか幽霊とか怪物とか)、
絵になるロケーション、
滅多に見れないビジュアル、
デザイン的に優れたもの、
ガジェット、世界観、音楽なども含む。

最初に核を思いつく場合もあるし、
ストーリーを書いてから改めてキービジュアルを練っていく場合もある。

どんなに深いテーマで、
どんなに面白い展開だとしても、
ビジュアルが微妙なら、そのストーリーは地味だと言われる。
僕は昔から山田洋次の映画があまり好きでないのは、
ビジュアルの押しが足りないからだと思っている。


2 引き込まれて、引きつけ続けられる展開

大まかには、最初に陥るシチュエーションと、
ラストの解決の瞬間がペアになる構造。
細かくは、間の面白い展開。
サブプロットやら伏線やらどんでん返しやら。
技術と実力が一番いるところだ。

退屈させたら負け。
予測のできない緊張感たっぷりのものから、
ゆるいテンポが心地よいものまで。
展開が読め過ぎるのもダメで、
適度に意外性のある展開であること。

どんなにビジュアルがよく、
どんなに深いテーマでも、
展開の退屈なのはやっぱりダメだと思う。


3 主人公の変化に影響されること

どんなにビジュアルがよく、
どんなに展開が面白くとも、
テーマなきストーリーは、ただの時間潰しだ。
その冒険の結果、
主人公はどう変化したのか、
それによって我々が影響を受けるほど感動しなければ、
一流のストーリーとは言えない。
むしろ、そのテーマの為に、
全ての要素がこれしかないというように、
無駄なく配置されているのが名作の条件だ。

勿論変化だけ良くてもダメで、
ビジュアル、展開と来てラストにあるから、
効くのだが。



二つを思いついたら、残りひとつを思いつくまで考えるとよい。

面白い展開とテーマを思いついたら、
あとそれをどういう面白いビジュアルにすればよいか、
考えるとよい。

斬新なビジュアルと展開が出来たら、
それは何のテーマを示し、我々がどう影響されるのか考えるとよい。

斬新なビジュアルで深いテーマが表せそうなら、
間の面白い展開を考えるとよい。


どれも数行で書けるような、核になるアイデアで構わない。
ひとつだけ思いついて、
残り二つを思いつくのはキツイと思う。
どれか二つセットで思いついて、
残りひとつを揃えてから、
それぞれを発展させていくといいように思う。

ひとつふたつを掘っていって、
大分たってから残りをつけ足すよりも、
まずワンセットにしてからにしたほうがよい。
これらは、不可分であるような気がする。


面白そうなビジュアル。
面白そうな展開。
変化で示す、面白そうなテーマ。

三つ揃ってるかどうかが、ポイントになるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック