序盤を除いて、
途中で新キャラが出てきたら、
途端に筆が止まり、長考に入ってしまうものだ。
これはとてもいい傾向だ。
何も考えずに書いていると筆は途中で止まる。
長考に入るのは、頭の中で準備を始めていることの証拠だ。
逆に、新キャラが出てきてスラスラ書けるのは、
余程入念に準備を重ねたときか、
何も考えずに無計画に書いていくときだ。
前者は成功するが、
後者は確実に失敗する。
今書けないから新キャラ出してそっちに間を持たせてもらおうと頼ったからである。
まず、何をどんな風に喋るのか。
彼または彼女の関心事(ストーリー上の)は何か。
何をしに来たのか。
そもそもの背景は。
どんな格好のどんな設定か。
名前は。
そんな事がきちんと決まっていないことすら、
往々にしてあるものである。
てんぐ探偵30話の飛天僧正の登場シーンは、
練りに練った上での登場で、
(1話から伏線引いてるしね)
執筆は乗りに乗った記憶がある。
だけど、口調をどうするか、実は決めていなかった。
大天狗と悪口の丁々発止をすることは決まっていたが、
でくのぼうの巨人に対して頭が回るのが速いという意味で、
後々出てくる飯綱神と口調が被る所が多々あった。
(最後まで書いてからそれに気づき、
二人のキャラはちゃんと分離した)
僕の今までの新キャラ登場執筆の経験の中で、
多分一番ノリノリで書けた記憶があるのだが、
それでも口癖が不安定で、
スムーズには書けなかったのだ。
ましてや、他のキャラにおいておや、である。
新キャラは、仮に相当設定を作っていたとしても、
なかなか書き出せないものだ。
頭の中に、これまでの他のキャラほど、
リアルに出てこないからである。
例えば物語の最初のように、
バックストーリーをちゃんと作り、
ストーリーの登場の瞬間から、
目的や動機や焦点を持っていたとしても、
作品内のリアルになかなか同調してくれない。
新キャラ登場のときは、
僕は執筆している喫茶店を変えることを良くする。
歩いて考えたり、環境をガラリと変える為である。
頭の中にリアルに現れるまで、
そこまでしなければならない。
寝て明日になるまで待つ、なんて極端なこともする。
そのキャラになりきって何かをしゃべるのもとてもいい。
(ぶつぶつ歩きながらしゃべるおじさんになってしまう)
他のキャラほど頭の中で生き生きと動かせるようになって、
初めて執筆を再開するといい。
(と言っても、すごい新キャラが次のてんぐ探偵に出てくる訳ではないです。
あくまで普通の人物なのに、
なかなか動いてくれなくてとても苦労したので)
他のキャラは、体に入っているのに、
新キャラだけ体に入っていない、
という感覚だ。
執筆を止めて、新キャラを体に入れることを、
やるとよい。
2015年04月12日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック