他人の失敗はよく見える。
自分の失敗はよく見えていない。
落とし穴は、大抵注意していない所にある。
あなたの「書きたかった所」に。
書きたかった所以外の場所は、
大抵慎重に書く。
これでいいだろうか、誤解は招かないか、
いろんな人を納得させられるか、
説得力はあるか、
反対する人をも引きずり込む力があるか。
間違ってることを書いてないか、
伏線と解消は機能しているか。
説明臭くないか、説教臭くないか。
乗れるか。滑ってないか。
苦手な所ほど慎重に検討し、
上手く行ってない自覚があるところほど、
きちんと書き込み、上手く行くまでちゃんとやる。
計算ミスをしないように、検算もちゃんとやるようなものだ。
ところが。
人の心理とは怖いもので、
自分の自信のあるところは、大胆になりすぎるのだ。
書きたかった所を書くとき、
自信にみちあふれ、筆は走り、大胆に大胆を重ね、
自分のマックス調子のいいものを書く。
それが、客観性を失ってることに気づかずに。
慎重になっているところは、
客観的に検討しているのである。
これでホントに面白いの?と。
ホントに面白くなるまで、ちゃんと書くから、
ホントに面白いと思うものが出来上がる。
そこまでコツコツやることで。
苦手で慎重になっているから、
それを克服しようとする意思も強いだろう。
自信のある所、書きたかった所ほど要注意だ。
あなたの書きたい念が強すぎて、
客観性を失っていることが、まれによくあるのだ。
無理があったり、矛盾があったり、
説得力がなかったり、同調しがたいものだったり、
感情移入を裏切ってたり、
強引だったり、ご都合だったり、
おかしなことがあっても、それを検算する目が曇るのだ。
何故ならやりたかったことだからだ。
落とし穴は、そこにある。
なかなかの確率で、落とし穴にはまっているのに気づかない。
だって書きたかった所だから。
書きたかった事を書いたから。
それが合ってるかどうか、関係ないから。
そう思うのは、危険の印だ。
書きたかった所は、本当に面白いのか?
何でそうなるのか、苦手な所ぐらい突き詰めてるか?
リライトで冷静になれたら、
そこの温度を見てみよう。
やりたかっただけで、ちっとも面白くないかも知れないし、
無理やご都合がある可能性が高い。
何故なら客観性を失ってる可能性が高いからだ。
ということで、てんぐ探偵35話の、
書きたかった所(クライマックス)に重大な欠陥を見つけて、
今へこんでいる。リライト間に合うかなあ。
2015年04月16日
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