最後まで書き終え、一回忘れて、リライトにかかるとき、
メモなしの一気読みをすることを勧めている。
これはディテールにとらわれず、全体を見るための方法論である。
このことで気づくことがある。
「このテーマだとすると、
この事件とこの解決でいいのか?」という、そもそものことに。
この疑問が出てくるのは、
気づかずに完成だと勘違いするよりも幸せなことである。
事件と解決がきちんと出来ていたとしても、
テーマがずれていることに気づくことが出来て、
リライトするチャンスがあるからである。
選択肢は二つある。
事件と解決を直すか、
テーマを直すかだ。
テーマの方が大事だから、
恐らく、テーマに合わせて、
事件と解決のほうを修正することになるだろう。
まずは解決からだ。
そのテーマを表すのに最適な解決へ、
組み直さなければならない。
それは、パーツを入れ換えたり修正するという小手先のことよりも、
「理想は○○みたいな感じの解決になること」という、
理想を先に作っておくとよい。
それは、具体よりも抽象度が高い方がいい。
(今まさに問題にしている、35話妖怪「ボケ」では、
風車やスイカや夏祭りが重要な小道具で出てくる。
その設定や解決の具体を練り直す前に、
「大事なことは、忘れない」という、
抽象的な、理想的解決をまずイメージする)
そして、その抽象的な解決に向かうように、
具体物を使って、問題と解決を組み直していくのだ。
(例えば上の例では、
大切に取っておいた筈の風車が、ボロボロに経年劣化している、
という問題の発端を思いつく。
風車は壊れて無くなったとしても、その思い出は消えない、
という解決に出来ないか、と具体物で考えるのである)
既に書き終えた話なのだから、
その世界の事はよく分かっている筈だ。
その場所にある物や事を上手く利用し、
問題と解決を再び組み上げるのである。
問題と解決を残して、テーマをそれに合わせる方法で、
いい方法はない。
その問題と解決が暗示するテーマでおしまいだ。
テーマが大事だ。
テーマを描きたいなら、
事件と解決をリライトするしかない。
勿論、それは壮大な直しになる。
2015年04月16日
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