2015年04月16日

同調すること10:他の人物にも同調してみよう

第一稿や最初のほうでは、
同調が主人公だけのことが多い。

他の人物にも同調してみよう。
ただ出て喋るだけになっていないか?


仮に主人公に関して、
筋がちゃんと通り、矛盾のない話が作れたとしても、
まだ同調には遠い。

その周囲の人物にも同調し、世界にも同調出来ない限り、
主人公に感情移入することは出来ない。

何故なら、感情移入とは、信用だからだ。
他の人物にも同調出来るほど、
リアリティーのある世界ではないなら、
ご都合を感じて、感情移入までには至らないのだ。

登場する全員に同調出来るように、
各人物の目線から、
物語をとらえ直そう。

何故この人はここにいるのか。
何をしてる途中なのか。

この人にも小さなドラマがあるべきだ、
と思えるのは、いい判断だ。
単に出るだけじゃなく、
その人から見た起承転結がある、ということだからだ。

そうすると、ただ出て喋るだけじゃない、
ドラマが生まれる。



今リライト中の話では、
単に出て喋るだけの人物に、
主役と喧嘩したせいで井戸水を発見した、
という小さなドラマを用意し直そうとしている。

ただ出て喋るだけでは、
作者が話を進めるために都合よく配置した、
ただのロボットにすぎない。
そういうものは必ず見破られる。

喧嘩したせいで井戸水を発見した、がその欠点を補うベストの解かは分からないが、
そのようなドラマすらないのに比べれば、
100倍同調が上手くいく。
作り物的なご都合が減るからである。


物語への同調は、
主人公だけではない。
出来るなら、出てくる人全員に同調出来る、
エピソードを用意するとよい。
その時はじめて世界に同調し、
感情移入へ移行するような気がする。
posted by おおおかとしひこ at 18:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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