2015年04月25日

人間の魅力

見た目。台詞。行動。


見た目の魅力は、シナリオではあまり重視されない。
誰が演じるか、どんな衣装やメイクをするかで、
いかようにも出来るからだ。
どうしても必要な要素、例えば片足とか、黒人とのハーフとか、
年齢とか、どうにも出来ないことだけを書くものだ。

若い美男美女だけとは限らない。
渋い魅力や、不細工なりの魅力が、
人間にはある。
見た目が魅力的な、一般の人々を撮った写真集はたくさんある。
逆に人間の見た目の魅力的を、
あなたは自分の好みだけでなく、
色々なパターンを知っていくと良いかも知れない。



台詞はその人の魅力である。
言葉そのものの魅力もあるが、
ほとんどは、こういう場面でこう言った、
という魅力だ。
それは、その人の考え方や性格の魅力が、
言葉になって現れたのだ。

つまり、その人の考え方が魅力的なのだ。

その人物の考え方が、あなたとはまるで違い、
なおかつ魅力的な人物を創造しよう。
考え方がイケメンとかの表現もあるぐらいだ。

ある状況で、ある台詞に対して言う台詞は、
それぞれの人間の考え方の違い、
反応、性格によって様々に異なる。

その魅力を描くには、あなたが、あなた以外の人間の魅力を知っていることが必要だ。

勿論自分自身の投影や、自分の中のある部分を割譲することもある。
しかし、物語が、他人と他人のいさかい(コンフリクト)である以上、
異なる考えと異なる考えが、ぶつかる必要がある。
それが主人公だけでなく、メイン登場人物全員が、
異なる考えで、なおかつその考え方が魅力的であることが必要だ。


行動。
台詞は考え方であり、行動も考え方だ。
世の中には口だけで行動しない人もいるし、
口下手だが行動する人もいる。
映画の主人公は、たいてい喋るのが上手く行動的だ。
下手な人の書く主人公は、独り言はうまいが、他人に喋るのが下手で行動もしない。

どんな人が魅力的かは、
結局行動が決める。

何故なら、映画とはアクションだからだ。

アクションといっても、カーチェイスやカンフーとは限らない。
相手を咎める、仲間にする、契約をしてくる、
会いに行く、説得する、など、
動詞は全てアクションである。

ある状況で、ある考え方に基づき、
ある行動をする人の、魅力を描くと良い。


どうやったらそんな魅力を書けるのか?
知るしかないと思う。

よそからパクるのは、そのうちばれる。
そういう人に、会うしかないだろう。

友達や家族や会社や学校の人をモデルに、書く人は多い。
かつて付き合った人をモデルに、異性を書く人は多い。
それは、深い部分でその人を理解してるから、書けるのだと思う。

要は、ぼっちには、物語は書けないってこと。


物語は、殆ど人付き合いのことである。
しかも平時の人付き合いではなく、
緊急時の人付き合いについての、なにがしかだ。

有事のときにこそ、その人の本性が現れる。
それを描き、絡ませるのを、物語という。
そのなかで、人間の魅力を描くのである。
posted by おおおかとしひこ at 18:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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