次々に次がやってくる!
凄さの更に上が!
この世界の外にも世界が!
どこまでこれは続くのか?!
などが、拡大していく感覚。
今までのこれはこういうことだったのか!
全ては計画されていたのか!
こういうことだと思っていたら、そんな深い意味が!
全てのパーツが揃い、崩壊のはじまりだ。
世界の本質はこういうことではないか?
などが、収束していく感覚。
ミッドポイントまでは、拡大していく感覚、
それ以降は収束していく感覚をメインにするとよい。
ミッドポイント以降は、
拡大していく感覚と収束していく感覚の両方があると更に面白くなる。
ドラマ風魔の例で。
僕が四天王テクニックと名づけた、
「残りあと○人」が時計を刻む。
9対9と言っている以上、
5人が消えた時点でミッドポイントだ。
不知火、紫炎、白虎、雷電、闇鬼までだ。
黒獅子が消える以降は後半である。
つまり、ミッドポイントは壬生の離反だ。
これを境に前半と後半が綺麗に別れている。
以前に書いた記事に即すれば、
風呂敷を徐々に広げることと、徐々に畳んでいくことだ。
前半は、
白凰学院はどんな感じか、部活対決はどんな感じか、
次々に世界は拡大していく感覚である。
風魔は次々に増え、忍術対決は次々に増え、
人々がどんな感じか、表面上や深い所など、
キャラクターの造型も、一通りの拡大していく感覚が主である。
後半は、いよいよ決戦兵器である聖剣が登場し、
決着に向けて人々が減って行く。
生き残る者がベストかどうかも分からないまま、
どうあることがこの戦いを制することなのか、
というテーマへの収束が起こって行く。
竜魔が倒れて一線の自覚を持つこと、
若者が前線に送られること(麗羅)、
強い善人であろうとすること、
何のために戦うのか。
(それを陽炎がかき回してくれる)
この寂寥感も風魔の魅力のひとつである。
ロッキーだとどうか。
ミッドポイントは、自分のインタビューを見て、
自分のやってることを客観視したときだ。
前半は、
ロッキーの住むしょぼくれたダウンタウン、
ジム、借金取りというマフィアのバイト、
行きつけの飲んだくれてるバー、ロッキーの部屋、
ペットショップ、精肉工場のバイト、
アイススケート場、アポロの事務所などに世界は拡大していく。
エイドリアン、ジムの若手、ミッキー、ポーリーなどの人物像もだ。
ミッキーの深い所、エイドリアンの深い所も描かれる。
後半は、トレーニングの本格開始、
ポーリーとの大喧嘩からの別居、
などで、世界がひとつの結論へ向けて収束してゆく。
世界を収束させていくコツは、
前半に出たものを再利用することである。
その中で色々なものを煮詰めていくことで、
世界はより深く進化していく。
それが収束の感覚を引き起こす。
ミッドポイントを過ぎてなお、
世界が拡大していく感覚だとしたら、
それは間違った展開である。
聖剣は世界の拡大に見せかけて、
収束を加速させる小道具になっている。
既に出てきたものと、既に出てきたものを、
組み合わせて、新しい情報にあたる。
そうすると、世界がきゅっと絞まっていく。
あるいは、ミッドポイント以前で、
一端結論が出てしまって収束していくのも、
間違った展開である。
どんどん拡大せよ。新しい要素と組み合わせていけ。
新しい要素は、多目に準備しておくのがコツだ。
全部使わなくてよくて、
面白いのから順に使うといい。
余った要素は、リライトの際に威力を発揮する。
何かを切って繋がらないときは、それを復活させればよいのだ。
書いてるのは、今、前半?後半?
煮詰まったらいつもプロットや全体のボードを見て、
大きな流れに寄与してるかどうかを判断するといい。
こういうときの為に、
全体を一枚で見渡せる、ペラ一枚のプロットや、ボードはとても助けになる。
後輩に言われて気づいたのだが、
僕はことあるごとに、てんぐ探偵の全話リスト
(55話のサブタイと妖怪がペラ一枚に収まったもの)を眺めて、
ああでもないこうでもないとやってるらしい。
そうやって全体の流れをつくっておき、
実際の執筆時にはそれを時折見て、自分が今どこにいるかを確認することは、
とても大事だ。
2015年04月30日
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