その話のダイジェストを作ってみたまえ。
プロットが書く前の計画だとしたら、
ダイジェストは書き終えたあとの感触の、俯瞰のようなものだ。
このダイジェストを見ていると、
ここでもう少し感情を増幅すべきだ、
という発見をすることが出来る。
ダイジェストにすると、起伏が圧縮されるからだ。
もっと盛り上がればいいのに、
もっとひどい目に逢えばいいのに、
と、起伏を大きくしたくなるはずだ。
書いている途中は、やっぱり手加減というか、
徹底出来てないのかも知れない。
そのときはマックス頑張ってても、
ダイジェストのように粗い目で見れば、
起伏が足りないと分かることができる。
と、いうのは、
今回てんぐ探偵傑作選を十本選んで思ったことだ。
その時々は必死で書いてるのだが、
もっと話単位での起伏が欲しくなる。
想像したよりフラットだなあ、と思うのである。
粒ぞろいとも言えるし、小さく纏まってるとも言える。
それは、通してダイジェストで見たときだけ現れる感想だ。
今回の十本は、
片寄ってないものを選んだこともあるけど、
めんくいはもっとどろどろしてもいいし、
アンドゥはもっと異常になってもいいと思った。
横文字はちょっと長いかなと思ったし、
別人格ももっと異常になってもいいし、
ミヨちゃんのラストはもっとキュートにしたいし、
ユーレイ話は、もっとシンイチに裏切られ感があっていいと思った。
その五人でやると決めたらSMAPが各々個性が光り始めたように、
ひとつのパッケージにすると、各々がより個性を尖らせるように主張するものだ。
ダイジェストをつくることで、それが見えてくるような気がする。
他山の石とされたい。
2015年05月22日
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