ほんとにこれは良くあることだ。
僕なりの対処法はいくつも書いてきた。
そもそもの原因は何だろうとふと考えて、
思い当たった。
そもそも人には書けないブレーキがついてるのだ。
ブレーキとは、
「こんなこと言うと相手は不快に思うかもしれない」とか、
「こういうことをするのは迷惑かもしれない」とか、
「一方的なのは迷惑だから、相手の事情も考慮に入れるべきだ」
などのような、
「人様に迷惑をかけない」ものが原型ではないだろうか。
これがあるお陰で、我々は社会生活をまともに送れる。
突然電車で服を脱いだり、
突然上司を殴ることはない。
このブレーキは、勝手気ままな自分本位の行動の抑制力だ。
さて。
書きはじめるとき、我々は一瞬このブレーキを忘れる。
初期衝動が高まり、
今書けそうだ、すごいアイデアを思いついた、
などと思い、書きはじめる。
つまり、初期衝動は、ブレーキを突破する為の起爆剤だ。
砂浜で強力なゴムを背中につけ、
なるべく遠くまで走ってフラッグを取るゲームなどを、
見たことがあるだろう。
必死で走らないとゴムの引っ張りに負けて、
後ろに戻されるやつだ。
このゴムが、常にブレーキをかけていると想像しよう。
どうすればフラッグを取れる?
最初に猛ダッシュするしかない。
途中で挫折するのは、
最初の猛ダッシュが足りず、ゴムに後ろに引っ張られてしまったからだ。
初期衝動が高まったら、
ブレーキが効いてくる前に、最後まで書ききることがコツだ。
ブレーキは一定の力で効くとしよう。
とするならば、
初期衝動をなるべく大きくして、
ブレーキが効き切る前に駆け抜けるのである。
そんなことは出来るだろうか。
可能だ。
一幕を一日で書け。
二幕前半を一日で書け。
二幕後半から三幕までを一日で書け。
そういう風にスケジューリングをせよ。
時間を確保し、三日間で集中するスケジューリングをし、
その日を迎えるに当たって、綿密な準備をせよ。
それが出来ないなら、
あなたはいつでも挫折するだろう。
ブレーキの効果が勝ってしまうからだ。
(ブレーキは、世間を安定させる為にある。
芸術は、世の中を騒がす為にある。真逆のベクトルなのである)
とにかく一気に書け。
僕は一日でせいぜい1万字強しか書けないから、
自然とこうなった。
(論文調なら、このブログのようにもっと書けるかも)
自分が最大一日何文字書けるか?
これを知っていることは、意外と大事だ。
もっと速い人、もっと遅い人もいるだろう。
どちらにせよ、把握するのだ。
これは数を書くことでしか統計を取れないので、
自分の経験則が大事だ。
自分の一日最大速度で、ブレーキを振り切ろう。
飯くって風呂入ってビールでも飲んでたっぷり寝て、
次の日もマックス速度で、ブレーキを振り切ろう。
その為に、
書くべきもののブロックわけをし、
一日でそのブロックを書ききることだ。
そのブロックわけこそが、あなたの為の構成となる。
三日か四日で、全速力キープ出来れば、
映画脚本は書ききれる。
(全速力は四日持たない。大変疲弊する。
また中休みを入れてもよいが、書く前の計画にしておかないと、
休みに甘えがちになる)
勿論準備にはもっと時間がかかる。
全体の9割は準備だ。
しかし、執筆そのものは、
それくらいのスピード感でブレーキを振り切るのがいい。
そうしない限り、あなたは絶対に挫折する。
最後までさえ書ければ、それが半分の完成度だとしても、
完成度をあとから上げていけるのだ。
リライトはその為にやればいい。部分の起伏と全体の起伏を再調整していい。
挫折したら完成度は0である。
ブレーキは常に一定に効いている。
こんな大したことない作品で偉そうにしてんじゃねえよ。
こんなもので世界が変わるかよ。
あれよりつまんねえよ。
意味ないよこんな話。
魅力がない。
それは、書いてるときでも書いてない時でも、
常に一定に効いている。
それを突破するだけの加速を、一日の最初にすればいいだけだ。
一日で何文字書ける?
それを知り、逆算でスケジューリングしてみよう。
一日原稿用紙5枚、1000字でもいい。
5分ものをいっぱい書いて、5分の名手になればいい。
一日50000字書けたら、一日で脚本を書ける計算だ。
(多分人間業じゃないよね。
平井和正は自動書記状態で月10〜20万字。
僕は今てんぐ探偵で月6〜7万字ペースだ。
実際にはその前に構想を一年近くしたけど)
小説の節や章は、ブレーキを振り切って書けるだけの、
その作者の日産文字量なのではないかなあ。
これぐらい単純にものを考えれば、
挫折のメカニズムと、
その防止策を講じれるのではないかな。
2015年05月23日
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