2015年05月23日

必ず最後まで書く方法

前の記事を一般化してまとめておこう。

お話を最後まで挫折せずに書くにはどうすればいいですか?


答え:あなたが一日で書ける文字数を割り出してください。

その範囲内なら、可能です。


一日で自分が何文字書けるかご存知ですか?
それは書く経験から割り出されます。
事務用の書類やプログラミングは、関係ないです。
創作物語について、一日で書ける文字量です。

人によって差があります。
日によってばらつきもあります。
平均の半分も書けない日もあるし、平均の倍以上書ける日もあります。
自分の文字生産器としての性能を把握してください。
30日分も統計を取れば把握できるかと。

そして、この文字範囲内の話を書くことです。


原稿用紙5枚の話を書いてみて下さい。
一日で何本書けますか?
その原稿用紙の枚数が、あなたの限界です。
まずはそれ以内の話を沢山書きましよう。
一日机に何時間集中して座れるかも把握してください。

僕は一日4時間で、30分ぶんの30枚、12000字が限界です。
8000字ぐらいが楽な分量で、そこからロスタイム的に書いてます。
(多いのか少ないのか分かりません)
だからなるべくその範囲内で闘う目標にしています。

勿論、白紙に向かっていきなり書き出すのは難しいので、
プロットを作ったり人物の一覧を作ったり、
調べものを沢山事前にした上で、です。
それまでのほうが長く、書くのは4時間以内です。

僕は沢山書くには、手書き推奨です。
打ち文字は薦めません。日本語は表意文字であり、
表音による入力は本質的ではないからです。

シナリオは最終的に音(台詞)で表現されるので、
音による入力は合理的です。
しかし音入力は現在の技術では完璧でない為、
ICレコーダー録音→文字おこしをする人が多いです。

僕は、手書き→文字おこしです。
これは二度手間ではありません。
意味を記す仕事と、表音から適切な漢字を探す仕事は、分離すべきです。
4時間で1万字手書きのペースです。
これ以上ペースを上げるには速記かなあ。
でも集中した思考が、僕にはこれぐらいが限界みたいです。



さて、一日で書ける文字量以内の話を、書いてください。
これが最も挫折しない合理的な方法です。
日を跨ぐから、冷静になってしまうのです。
創作は一種のキチガイです。冷静になる前に全てを片付けましょう。

たとえ夜中のラブレターになったとしても、
完結していないラブレターよりはましです。
ここでは、挫折しないことが目的だからです。

そして、数をこなせばこなすほど、
徐々に限界文字量が増えてきます。慣れてきたのです。


これ以上の文字量のものを書くにはどうすればいいでしょうか。
ブロックわけをすることです。
つまり長編とは、
長期的にキチガイを維持することに他なりません。

まずは、憑き物がついたかのように、
一日で書ける文字量以内の話を書いてください。
それを何回も何回もこなしてください。
三日連続して書けるようになったら、
三倍の長さの話をブロックわけして書けるでしょう。

あとは、キチガイと正常(社会生活)の行き来を、
意図的にコントロールする練習をしておくことです。
書く場所と生活する場所を変えるのは、古典的に行われた方法で、とても有効です。
喫茶店やファミレスが、作家にとって一般的な執筆場所でしょう。


これは精神論や技術ではなく、
文字生産器として自分をとらえる方法論です。
これぐらい冷静になることも、時には必要です。
posted by おおおかとしひこ at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック