2015年05月24日

とかくストーリーの面白さはとらえにくい

素人さんに聞いてみよう。
とある特定の、映画とかドラマとか漫画とかの、
何が面白い?と。


大抵シチュエーションとか、キャストとか、
見た目のことを言うはずだ。

じゃ、そのシチュエーションのその見た目の、
写真とかgifとか見てればいいんじゃない?
と聞くと、
色々なのがあるのがいいんじゃん、
とうろたえながら返してくるはずだ。

じゃ、何枚かの写真とかgifを順に見てればいいんじゃない?
長いのを集中して見なくてもいいでしょ?
と聞くと、
ストーリーがいいから、
とようやくストーリーに言及が及んでくる。

じゃ、そのストーリーの何が面白い?
と聞くと、
うろたえる。

ストーリーがどういいかを示すには、
ストーリーとは本来どのようなものであるか、
が分かっていないと答えられないからだ。

そして、芸術とは常に新しいものへ更新することだから、
ストーリーの固定された定義はない。
常に、過去の名作と比べてどうか、
としか批評できない。

勿論、そこまでストーリーについて比較検討している人はいないから、
そこで言葉につまり、
こんなこと聞いてくる人は、めんどくさいから会話を避けようと思うのだ。


こういうわけで、
ストーリーそのものについて語ることはとても難しい。


ドラマ「風魔の小次郎」は何がよかった?
キャストのイケメン?
じゃ彼らが出てればどんなドラマでもいいの?
そんなことはない、彼らのこの役が良かったのだ。
音楽?
じゃサントラだけ聞いてればいいじゃん。
そんなことはない、ドラマに沿ってるから良かったのだ。
原作?
原作を改めて読めば、なんでこれが面白かったのか疑問になるレベルだ。
第一、原作により近いストーリーで、
同じキャストで、
同じ音楽の、
舞台版と比較すれば分かる筈だ。

違うのはストーリーなのだと。


演技はより舞台版のほうがこなれてる(仲も良くなってる)し、
時間も短くて手頃だ。
腐女子が嫌いな(という偏見のある)女子も出ていない。

ところが、ストーリーが全然違う。

ストーリーとはなんだ。


事件とその解決であり、
それまでの目的を違えたことが起こす揉め事で、
解決がテーマを暗示することである。

そのよさってどういうことだ。

感情移入が上手くいったってことか。
カタルシスが良かったってことか。
設定の斬新さやどんでん返しのことか。

どれも部分でしかない気がする。



とかくストーリーの面白さはとらえにくい。
部分は良いのに全体がダメなものもある。

この謎を、上手く解き明かしていきたいと考えている。


見た人同士で共感しあうことと、
見てない人に上手く伝えることも、違うと思っている。
posted by おおおかとしひこ at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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