素人さんに聞いてみよう。
とある特定の、映画とかドラマとか漫画とかの、
何が面白い?と。
大抵シチュエーションとか、キャストとか、
見た目のことを言うはずだ。
じゃ、そのシチュエーションのその見た目の、
写真とかgifとか見てればいいんじゃない?
と聞くと、
色々なのがあるのがいいんじゃん、
とうろたえながら返してくるはずだ。
じゃ、何枚かの写真とかgifを順に見てればいいんじゃない?
長いのを集中して見なくてもいいでしょ?
と聞くと、
ストーリーがいいから、
とようやくストーリーに言及が及んでくる。
じゃ、そのストーリーの何が面白い?
と聞くと、
うろたえる。
ストーリーがどういいかを示すには、
ストーリーとは本来どのようなものであるか、
が分かっていないと答えられないからだ。
そして、芸術とは常に新しいものへ更新することだから、
ストーリーの固定された定義はない。
常に、過去の名作と比べてどうか、
としか批評できない。
勿論、そこまでストーリーについて比較検討している人はいないから、
そこで言葉につまり、
こんなこと聞いてくる人は、めんどくさいから会話を避けようと思うのだ。
こういうわけで、
ストーリーそのものについて語ることはとても難しい。
ドラマ「風魔の小次郎」は何がよかった?
キャストのイケメン?
じゃ彼らが出てればどんなドラマでもいいの?
そんなことはない、彼らのこの役が良かったのだ。
音楽?
じゃサントラだけ聞いてればいいじゃん。
そんなことはない、ドラマに沿ってるから良かったのだ。
原作?
原作を改めて読めば、なんでこれが面白かったのか疑問になるレベルだ。
第一、原作により近いストーリーで、
同じキャストで、
同じ音楽の、
舞台版と比較すれば分かる筈だ。
違うのはストーリーなのだと。
演技はより舞台版のほうがこなれてる(仲も良くなってる)し、
時間も短くて手頃だ。
腐女子が嫌いな(という偏見のある)女子も出ていない。
ところが、ストーリーが全然違う。
ストーリーとはなんだ。
事件とその解決であり、
それまでの目的を違えたことが起こす揉め事で、
解決がテーマを暗示することである。
そのよさってどういうことだ。
感情移入が上手くいったってことか。
カタルシスが良かったってことか。
設定の斬新さやどんでん返しのことか。
どれも部分でしかない気がする。
とかくストーリーの面白さはとらえにくい。
部分は良いのに全体がダメなものもある。
この謎を、上手く解き明かしていきたいと考えている。
見た人同士で共感しあうことと、
見てない人に上手く伝えることも、違うと思っている。
2015年05月24日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック