脚本添削スペシャル「ねじまき侍」でもやって見せたことだけど、
口癖を作ってみるとよい。
どうにもキャラが弱くて、輪郭がぼんやりした主人公のときは、
その特徴を示す場面(大抵初出)で、
その特徴を示す口癖を言わせるとよい。
そもそもそうしなければならなくなったら、
黄色信号だと思った方がいい。
問題は、「その特徴がないこと」かも知れないからだ。
主人公や主役クラスには、
背負った背景や文脈がある。
それが弱いと、キャラが立たない。
立たないから、口癖を言わせることで、立たせる。
これは悪循環になる。
口癖だけがキャラ立ちのキャラは、弱いキャラだ。
理想は、
キャラが弱いなあ→口癖を言わせてみよう
→どんな?
→キャラの背負った文脈や背景や特徴から口癖を考えよう
→口癖以前に、そこが弱いんじゃね?
→改良
→口癖なんて、必要なかったわ
の流れだ。
その上で尚口癖があるのは、
それが真似したくなるのなら、いいキャラ立ちかも知れない。
更に理想を言うと、
初出で特徴と口癖を見せて印象付け、
序盤でちょいちょい出ていた口癖が消えて、
つまり口癖どころではなく、
右往左往するほどの大変な事態になり、
ラストの決め台詞に、再び口癖を持って来るパターンだ。
「ねじまき侍」でも使ったし、
ドラマ風魔の小次郎でも使った手だ。
(小次郎は口癖というより、お調子者キャラか)
これはある種のブックエンドテクニックでもある。
この口癖の響きかたの違いが、
そのストーリーにおける変化を示すからである。
最初と最後が、同じ台詞なのに意味が違うようにつくるのがよい。
全く同じ意味にしかならないのなら、
それはそのストーリーで、変化を経験していないということだ。
口癖に限らない。印象的な短い台詞でもいい。
それが上手く出来たら、きっと名台詞になるよ。
2015年05月25日
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