思いついた!書きたい!という初期衝動は、
とても大事だ。
この思いの大きさがあればあるほど、
冷静のブレーキを越えて、執筆を完遂させられる。
その思いを、執筆前に増幅しておけばおくほど、
途中で挫折する確率は減る。
その具体的なやり方。
次のものを、僕はよくつくる。
以下は、大体30分から90分までの場合。
◯一言で言うと、どんな話か
ログライン形式のときもあるし、
本質的な一言のときもある。
何バージョンもつくることもある。
思いついた当初のそれと、
綿密にプロットを組んだあとのそれは、
大分違うことのほうが多い。
◯テーマ
もし言葉になるなら、しておく。
言葉になってない場合もある。
上と同じく、何バージョンもありうる。
◯タイトル
それらを端的に表す場合もあるし、
ヒキだけの強いバージョンもありうる。
これも何個かあることも。
複数のパターンがあり得るときは、
常に最新のものをペラ一枚に書き出して、
履歴を別に保管する。
最新のものはいつでも見れるようにし、
履歴もいつでも見れるようにする。
手書き推奨。触ってめくれるからだ。
身体に刻み込むためだ。
◯プロット
文で最初から最後まで書く場合もあるし、
メモのようなものをぐねぐねと書いただけのものもある。
「てんぐ探偵」は、
ほとんどは文でペラ一枚から二枚程度で書いた、
文章形式のプロットが準備されていて、
書く直前にぐねぐねとメモがきで更に細かいものを書いたプロットが存在する。
また、文章形式がなく、ぐねぐねメモだけで書いた話もある。
(「遠野SOS」など)
プロットが特に複雑になりそうなら、
ブレイクシュナイダーの「ボード」を使って、
整理することもある。
◯人物表
僕の推奨は、名前と年齢と、目的の表だ。
性格とか好みとか口癖とか、いわゆる設定表は作らない。
アニメのそれは、複数スタッフが守る了解事項としてのそれで、
自分の覚書は、自分のからだのなかに入れておくべきだ。
目的の表さえあれば、その人はその行動を常にする筈だ。
頭のなかで覚えきれないとき(4、5人以上)
はじめて表をつくる。
てんぐ探偵で言えば、
遠野の妖怪リストとか、クラスの名簿とか、アイドルグループのメンバーとかだ。
◯地図
リアルな場所の話なら、地図をプリントアウトし、
書き込みまくることもある。
その場所の写真とか、イメージしてる音楽とかもとてもよい。
(僕は長期シリーズになりそうなら、主題歌を作り、
よく歩きながら歌う)
小道具を実際手元に置いておくのもとてもよい。
我が家にはてんぐ面がひとつある。
黒曜石の短刀がないのが残念。
その場所に行ってみることも大事だ。
リアルな場所の話でなくても、
モデルとなる場所に行くのはとてもよい。
ファンタジーやら外国や異星の話だとしても、
そのへんの場所をモデルに書くことは可能だ。
そこで歩いたり、日暮れまで時間をただ過ごすのは、とてもいい経験になる。
歩測することは、あなたの中に、頭だけでは構築不可能な地図をつくる。
一ヶ所ではなく、必ず複数行くこと。
物語はワンシチュエーションではなく、
複数の場所での変化だからだ。
◯スケジュール帳
いつ書くか、Xデイを決めておく。
逆算で準備をする。
◯台詞のメモ
各キャラクターが勝手に喋り始めることは、
とてもいい傾向だ。
ばんばんしゃべらせて、メモを取ろう。
事前のメモは、執筆中は見ないほうがよい。
現場の勢いが削がれるからだ。
執筆後に、このメモと原稿を照らし合わせて、
リライト時に改良することはある。
以上七つ道具。
どれだけ準備すれば最後まで書けるかは、
個人差が凄く大きいと思う。
多すぎても準備でへたるし、
少なければたどり着けない。
僕はよく、夜中歩きながら、
何も見ずに頭からラストまで、
ぶつぶつ言いながら、音で再現することがよくある。
かなり危険なおじさんなので、夜中限定だ。
歩きながらやること(進行のリズムを身体に刻む)と、
声に出すこと(これも身体的)がコツだ。
つまり、一回身体に全部入れる。
物語は頭で書くのではなく、
身体で書く。
この感覚が分かってくると、
身体の準備をするようになってくる。
車幅感覚に例えるのは、そういう感覚的なことだ。
2015年05月25日
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