この呪文はいつでも使える。
書く前、書いてる途中、書き終えたあと、
リライトを考えてるとき。リライト中、リライトし終えたあと、
二回目のリライトを考えてるとき…
いつでも、ふと我に返り、
「この話はおもしろい」と唱えてみる。
そうすると悪魔が召喚される。
「どこがおもしろいんだ?」と。
その悪魔に、この話のどこがおもしろいのか、
説明してみよう。
説明するほど言葉になっていないかも知れないなら、
「ここ」と、最も熱量のある場面を示してもいい。
ここが、どうおもしろいのかを、
一言でいうのだ。
じーんとする、ワクワクする、スカッとする、
なるほど!と伏線に感心する、
そういう考えがあったかと膝を打つ、
すごい怖い、見たことのない展開
などなど、
おもしろいの内容(ビジュアルではなく、話のおもしろさ)を、
一言で言ってみる。
それが、解決する場面になっているかどうかを、
チェックしよう。
お楽しみポイント、つまり二幕がおもしろいのなら、
落ちが弱いことの反映だ。
導入部のワクワク感や謎感がおもしろいのなら、
二幕に入ったら退屈することの反映だ。
悪魔は攻撃してくるだろう。
なんだ、おもしろくねえじゃねえかと。
その悪魔を退治するには、
問題の解決の瞬間が、おもしろいんだ、と説得してみよう。
それが出来たら、
間違いなくその話はおもしろい。
いつも悪魔はやってくる。
何がおもしろいのかと。
ラストがおもしろいんだ、と、悪魔を追い返そう。
リライトの途中などでは、
ラストしかおもしろくないのか?
と問うてくることもある。
途中も冒頭もおもしろいぞ、
と、悪魔を追い返そう。
じゃ、ラストはそれ以下になったんじゃね?
と問う悪魔を、やはりラストのおもしろさで追い返そう。
追い返せないなら、おもしろくしよう。
こうやっておもしろさの完成度は上がってゆく。
それおもしろいの?
と聞いてくる悪魔には、耳を傾ける価値がある。
その悪魔の本当の名前は、
あなたの猜疑心だ。
あるいは、自信のなさかも知れない。
それを振り切るほどのおもしろいものを作れないなら、
あなたはプロではない。
何故なら、受け手の観客たちも、
それおもしろいの?と、猜疑心一杯で見に来るからである。
その悪魔を黙らせる、おもしろいものを作るだけのことである。
これはおもしろい。
時々そう呟いて、悪魔を呼び出しては、
それを退治してみよう。
たしかにおもしろい話を作っている、という自覚と自信がうまれる。
そのおもしろさを礎にして、
その上にさらにおもしろさを積み上げることが出来る。
これはおもしろい。
そう呟くことで悪魔を呼び出し、その礎が弱くないかどうか、
常に確認出来る。
2015年05月29日
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