問題を設定したとき、既に解決法はわかっているはずだ。
それがラストに来てもまあまあに過ぎないかなあ、と思うとき、
その解決法を二幕の初手で使ってみるのは、
ありかも知れない。
つまり中盤の前半で、
用意した駒を使いきるのである。
中盤の後半、真の解決を、
一旦空白にしてしまうのだ。
自分を追い詰めるのである。
鍛えていれば、自分でも考えてもいなかった、
意外な解決法が出てくることがある。
そもそも最初に想定した話が、
大したことなかったのである。
その解決は、
問題が設定された段階でわりと誰でも思いつく、
ポピュラーな、つまりは平凡な解決に過ぎなかったのだ。
だから皆の予想を裏切るために、
予想の斜め上を行くために、
その問題の奥深くに更に潜るのである。
二幕の前半では、それは解決しないだろう。
(解決したら終わりだし)
従って、登場人物も思いもよらなかった問題点が明らかになり、
解決法が全く浮かばないどん詰まりに陥るだろう。
これはつまり、ミッドポイントにおける、
「かりそめの敗北」にたどり着いたということだ。
二幕前半で快進撃→かりそめの敗北のパターンだ。
この先二幕後半では、
そこから転落の一途だ。
敗北に敗北を重ねる。
つまりは、問題の奥へ行けば行くほど、
解決法が分からなくなり、
さらには問題のディテールもより広く深く明らかになっていく、
ということなのである。
つまり、ボトムポイントに落ち込むことになる。
ここからV字回復すればよい。
問題の解決を思いつけばよい。
具体的には、三幕の解決には、
一幕のものが伏線になると締まるのであった。
そこで、一幕にヒントを探しに行けばよいのである。
もし三題話などで鍛えていれば、
問題、二幕のこと、一幕の伏線(のどれか)の三題で、
解決に至る話をひねり出せるはずだ。
(それが出来ないのなら、三題話をあと100本!)
このやり方で、実は、
一幕の問題設定と伏線、
二幕前半の快進撃、
ミッドポイントのかりそめの敗北、
二幕後半の敗北とボトムポイント、
V字回復して、
三幕で一幕の伏線を使って解決、
という、
黄金パターンを構成できるのである。
この解決じゃ微妙だな、
という最初のあなたの勘は正しい。
安易な解決を作ったしまったことに、
無意識に気づいている。
だとすれば、自分を追い込むいい機会である。
今日書き終えた、てんぐ探偵43話がそういう風になったので、
教訓としてまとめてみた。
2015年06月02日
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