2015年06月07日

物語の矢

という言い方がある。

つまり、物語は、
必ずどこかへ向かっていて飛んでいて、
しかも的に見事に刺さった時がおしまいということである。


物語は、飛んでいる矢である。
勢いがなければ矢が落ちる。
どこへ向けて飛んでいるか常に分かっていて、
そもそも、その最終目的地にたどり着く為に、
大きな力を貯めて、勢いよく飛び出た筈だ。

物語は、飛んでいる矢である。
最終目的、つまり的のど真ん中は、
矢を打つときから分かっている。
そのど真ん中とは何か。
どうやって刺さるのか。
微妙に脇に刺さってもOKか。


しかも、矢は一本ではない。
複数の矢が絶妙なタイミングで放たれ、
空中でぶつかりながら、いくつかは的を外し、
いくつかは的のど真ん中に刺さるのが、
物語というものだ。
posted by おおおかとしひこ at 02:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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