2015年06月09日

設定だけ書いて、書いた気になるな

自戒もこめて書く。

設定だけ書いたって、それは物語ではない。
それに対する登場人物の感情がないからだ。


しかも、その設定につき感情がひとつあればいいのではない。

ひとつの感情だけでは、物語ではない。

私幸せ。
私幸せ。
私幸せ。

は、物語ではない。

私辛い。
怖いけど勇気を出す。
私幸せ。

などが、物語だ。


つまり、感情の移り変わりが物語だ。
なぜそういう感情になるかが、
物語の理屈と呼ばれる部分だ。

例えば上の例なら、
ボクサーとしての芽が出ていないから。
ミッキーに恥を忍んでトレーナー役を頼む。
試合には負けたが勝負には勝ったから。
などの骨格の部分だ。これはロッキーという物語の理屈である。


さて、設定「だけ」の何がダメかというと、
ひとつの設定がひとつの感情しか起こさないからだ。

感情の移り変わりが物語だから、
設定はそのひとつの点に過ぎないのだ。


あなたの登場人物はどのような感情の移り変わりを経る?
どういう行動や決断をする?
それが物語だ。
興味深い設定は、物語の強力な土台のひとつだが、
それだけでは全く物語ではない。

設定を突き詰めたら、次は登場人物の感情の移り変わりに注目してみよう。
登場人物の感情の移り変わりのきっかけや理由に、設定を利用してみよう。
それは相互作用する。
posted by おおおかとしひこ at 14:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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