2015年06月12日

結論なんて最初に出ている2

とはいえ、なかなかこのスタイルでつくるのは難しい。
先に価値ある結論を思いつくということは、
世の中に価値あるテーゼを、
リアリティーを含めて提示できなければならないからだ。

ということで、頭から作るときはこうする。


大体思いつきは、
頭の方を思いつくものだ。

シチュエーションとかキャラクターとか、事件の冒頭とか。

これを、細かく思いつかないのがコツだ。
まず思いついたら、
ディテールを詰めてはいけない。
あとで柔軟に変えることが出来るようにだ。

その問題の帰結がどうなるかを考える。
その帰結が一体どういう結論を暗示するかを考える。

たいてい、平凡な結論になる。
そこで、平凡でない、ちょっと面白い結論にアレンジする。

その結論にたどり着けるように、
前段をアレンジする。
この為に、前段を柔軟にしておく。
キャラクターを決めすぎない、事件の詳細を詰めすぎない。

たとえば冒頭を「吉祥寺公園で生首が見つかった」とせず、
「とある公園で死体の一部が見つかった」ぐらいにする。
次に、死体も人間ではなく、猫やロボットの一部などにしてみたり。
とある公園も、海辺とか学校とかライブハウスに変えてみたり。
前段を柔軟にアレンジすることで、
結論との整合性をとる。

こうやっているうちに、
前段から結論へ自然に至る、面白い道が見える。

こともある。
必ずではない。
一本道が見えるまで、前段と結論を調整する。

容易に想像できるように、この調整は無限にやりつづけることになる。
だからこのやり方をとる人は、まだまだアマチュアレベルだ。
ここで苦労するうちに、このやり方では無理だと気づくまで、
このやり方を続けると思う。


この無限アレンジ地獄を避けるには、
早々に結論をつくるといい。
そして、アマチュア時代に考えたあらゆる無限オモシロ前段から、
使えそうなのを持ってくるといい。
無限アレンジした中に流用出来るのがなければ、
改めてオモシロ前段を思いつけばいいだけだ。
無限アレンジの経験はここで生きる。
なんか面白い前段を思いつくぐらい、
無限アレンジ地獄経験者は簡単だ。

もし結論ありきで面白い前段を考えつかないのだとしたら、
あなたは無限アレンジ地獄の経験が足りない。

前段をこうして落ちをこうしたら、こういう意味の話になる、
というアレンジを、沢山経験していない。


ということで、若いうちに沢山考える経験を積んでおこう。
30越えてはじめるのは遅いと思う。柔軟性とか、脳への負荷的にね。
三題噺やプロットマラソンや企画を沢山考えるのは、
その自律的訓練法だ。


現実的には大体こんな感じ。

結論はまだ言葉になっていないが、大体こういう感じのものが書きたい

面白げなシチュエーションを思いつき、
これならまだ言葉になっていない結論へたどり着けそうだ

展開を盛り込み、結論へ

結論が細かく確定、なるほど、自分はこれが書きたかったのか

だとするとこの結論ありきで、冒頭から面白く出来る、
ミスリードや起伏ももっとつけられる

リライト、最初に戻る


みたいなこと。

前段と結論の無限調整よりも、
全然いけるやり方だ。
ただし色々なところで、無限調整した経験からの、
面白いアイデアを思いついて足すことが出来るだろう。
それもなにも、結論が決まっているから、必要とか余計とかが判断できるのだが。


結論が決まっている話を、
それを知らない人にうまく話すこと。

そのためには、はじめて聞く人でも分かるように結論をかみ砕き、
聞く人でも理解できる体験を話してあげて、
それってこういうことなんですよ、
とはじめるのがよい。
つまり感情移入である。

あとは、その主人公の事情に橋渡しして、
面白い展開をつくり、
解決したときに、
最初に話した、はじめて聞く人でも分かるような結論へ、
戻してあげるのである。

それがこれまで話したことの意味となる。
posted by おおおかとしひこ at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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