中二病の黒歴史ノートが出てきたまとめスレを見た。
昔はこうだったなあ、と懐かしくなってしまった。
そこでも、設定だけの羅列で、
一文字もストーリーが書けていなかった。
何故だろう。どうやったらストーリーは書けるのだろう。
まず簡単なエクササイズ。
そのキャラのうち、誰かと誰かの会話を書いてみよう。
日常会話と、非常時の会話だ。
丁々発止の漫才になるか、
ぐだぐだの会話になるか書いてみよう。
話題はなんでもいい。
学園ものなら今日のテスト勉強忘れた話でもいい。
昨日見たヤバイネットの噂について話してもいい。
非日常の会話なら、例えば校庭に犬が入ってきてそれを協力して追い払う、
などでもいいだろう。二人で遊園地にいってもいい。
さて。
実はここで大事な要素が入っている。
「話題」だ。
今日のテスト、ネットの噂、犬、遊園地。
これらは、「いつものただの日常」と、ちょっと違うから、
会話が弾むのである。
予想される日常の範囲内ではなくて、
ちょっと外れることが、会話を生むのだ。
会話のネタとはつまり、
「その人たちの日常ではないなにか」なのだ。
その人たちの日常会話なんて、物語には書かれないのだ。
(例えば母と高校生の息子の朝ごはんで、
会話をするだろうか?多分無言だろう。
日常とは、わざわざ会話しなくても進むことでもある)
つまり、話題さえあれば、
物語の登場人物がイキイキする。
それは、日常でないなにかがやって来たときだ。
これを僕は事件とよぶ。
物語は事件である。
事件が起きて、解決するまでのことである。
ある事件の顛末だけでなく、
その事件が起きたことによってまた別の事件が連鎖的に起こったりして、
それが実は現状隠蔽されていた何かを白日のもとに晒したりなどの、
一連の事件とその解決を描くのだ。
この事件を起こすのが上手くないと、
物語ははじまりもしない。
二人のキャラに会話させようとしたとき、
話題に困るのだとしたら、あなたは事件を起こすのが下手なのだ。
設定だけ作って物語を書けないやつは、
つまりは、事件を起こすのが下手なのだ。
さて。
事件を起こしたら、それを解決しなければならない。
二時間で解決する規模の事件なのか、
30分か、5分かは、話によって異なる。
あなたは、話の規模に適当な事件を起こさなければならない。
といっても、いきなり適当な事件を起こせないだろう。
事件→解決、を何度も書いて慣れて、
この程度の事件ならこの程度の解決の段取りがいる、
という感触をつかむべきだ。
テスト勉強やってねえ、のレベルの事件なら、ワンシーン程度だろう。
ネットの噂も、ちょっと広まり皆が影響されるレベルだ。
犬が入ってきたのは、全校生徒注目の中でのワンシーンだ。
遊園地に行くのは、行く前、途中、帰りにそれぞれ事件がありそうだ。
どれも、一編レベルの事件であり、
本格的なストーリーのレベルの事件ではない。
そこで、
本格的なストーリーのレベルの事件について、
過去の名作を辿ってみるとよい。
どういう事件が起きて、
どういう解決過程を描き、
どういう決着がついたか。
これはおおむね、一幕二幕三幕に対応しているが、
そこまで意識しなくてもいい。
メインストーリーラインについて、
あなたははじめて研究することになるのである。
何故だか分からないが、
キャラ設定を書くのは簡単だ。
性格、得意技、好きなもの、過去、
考えているだけで楽しい。それは変身願望の充足なのかも知れない。
それと同じくらい、
あなたは事件とその解決について、詳しくなるべきだ。
何故設定を書けてもストーリーを書けないのか。
設定には詳しいのに、
ストーリー(事件と解決)について詳しくないからだ。
よくあるパターンのストーリーでもいい。
あまりないパターンのストーリーでもいい。
(特に、他で類を見ないオリジナリティ溢れるパターンは記録しておこう)
キャラや設定を集めるのと同じだけ、ストーリーを収集しよう。
キャラ設定にはフォーマットがあるが、
ストーリーにはフォーマットがないのが残念だ。
あらすじの形で書いてみよう。その中で、事件と解決について、
特にフォーカスしてみることをおすすめする。
そうすると、似たパターンやパターン破りが見えてくる。
そのパターンが設定と同じだけたまれば、
自動的にストーリーは湧いてくるよ。
2015年06月17日
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