という検索でここにたどり着いた人がいたようなので、
面白そうなので書いてみる。
妄想によってだ。
机の上でうーんと唸ってひねり出せることもあるけど、
多くは日常での蓄積だ。
電車で変なカップルを見たとか、
夜の工場がカッコイイからここでチェイスしたら面白いだろうとか、
神社の階段で散歩したら転んで、とか、
今までの経験から、妄想するのである。
普段からそういう癖をつけておくといい。
駅でこんなことが起こると面白い、とか、
学校の授業中に屋上で起こると面白いこと、とか、
嫌な上司に飲みに誘われたときの話題、とか。
目の前で面白いことが起こることは滅多にない。
一度だけ、強風で帽子を飛ばされ、それを拾う人がいて、
これは恋の出会いに使える、という場面に出会ったことがあるが、
「風立ちぬ」で使われていて舌打ちした。
まあそんな確率だ。
だから、あなたの今までの人生から妄想で作り出すのが手っ取り早い。
リアル人生が詰まらない場合、
今まで見てきた物語から妄想することになる。
しかし二次創作になりがちなので、
出来れば一時創作がいい。
取材をするのは大変よいことだ。
夜の工場に実際にいってみると、
自分のちんけな想像では思いもよらなかったものを発見できる。
面白げなシチュエーションは、実際に行ってみるのがよい。
水門、寺、遊園地、ロープウェイ、岬、商店街。
あまり自分が行かなそうなところでもいい。
オシャレカフェやクラブとか。
とにかく色んな場所に行ってみることだ。
本編に全く出てきていないが、
僕は「てんぐ探偵」を書くに当たって、
京都愛宕山(924m。日本一の天狗愛宕太郎坊をまつる愛宕神社が山上にある)
に登山した。山登りなんか全く苦手で、ひいひい言いながら登ったのだが、
(山頂に至るまで100人以上に抜かれたと思う)
山の中で感じた、妖怪の潜む感じが、
ひょっとしたら内容に厚みを与えているかも知れない。
あの山で暮らす常識の者が、都会に出たら何を思うだろう、
ということが、逆に妄想できたりもする。
書を捨てよ街に出よう、と言ったのは寺山修司だが、
何よりも体験が、人のリアルな蓄積になるのである。
リアルな経験とは、自分だけの一方的な見方以外に気づくことかもだ。
まあそのうち思いつくよ。
どうしても思いつかないなら、
これから10個いくところを書いて、
無理矢理そのワンシチュエーションで、お話を作ってみるといい。
「場所」を思いつけ。
100ぐらい、書き出せる。
500ぐらいはいけるだろう。日本以外ももちろんあり。
1000ぐらい書き出せば、面白げなシチュエーションぐらいすぐに出る。
たとえば「1970年大阪万博の、太陽の塔で閉園後に閉じ込められる」とか。
これだって太陽の塔の中という場所さえあれば、
簡単に思いつけるし。
冒頭部でもいいし、途中でもいい。
そういう断片をつくるトレーニングをしていると、
変わったシチュエーションに出会ったとき、
ストーリーテラーの視線で観察できるから。
2015年06月17日
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