今死んで神様が来たとして、
あなたはこの質問になんと答えるだろう。
絵の練習よりも、歌の練習よりも、シュート練習よりも、
人付き合いの練習よりも、
僕はストーリーの練習をしました、
と言えるだろうか。
一番練習をしたものが、
得意技になるべきだ。
元々得意なものは得意技ではなく、
楽に出る技に過ぎない。
(楽に凄い技が出るのを天才というのかもしれない)
本当の得意技は、
一番練習したものだ。
テーマへの落とし込み?
台詞?
キャラクター?
プロット?
ストーリーの部分集合の、何かでもいい。
その何かを、一番練習した?
(今気づいたのだが、僕がわりと台詞が得意なのは、
関西から東京に出てきて苦労したせいかも知れない)
得意技になるまで、苦手だったものを克服した?
一番失敗のパターンを知っていて、
一番リカバリーのやり方も開発していて、
一番別れ道や裏道や抜け道も知っていて、
一番最悪の場合でもここまではなんとかなることを知っていて、
一番無意識に出るのは、
一番練習したものだ。
あなたの神経細胞の中に一番入っているものは、
一番練習したものだ。
それがストーリーであるように、
練習するべきだ。
僕は、最初にストーリーに挫折したのは、
16の時だった。
漫画家になりたくて手塚賞に応募したのだが、
パロディばかりやってきた自分が、
そこではじめてオリジナルのストーリーを書かざるを得なくなった。
そのとき、俺にはストーリーの才能がないと思ったのだ。
だからそこから懸命に学んだ。
大学で撮った一本目の映画も、
撮影や編集はよいがストーリーが弱いと言われた。
ストーリーって何なんだろうと、
ずっと自問自答して、
二本目三本目は、ちょっとましになった。
CMの短さなら、ストーリーを沢山練習できると思って、
なんだかんだ言ってストーリーものばかり撮ってきた。
だから僕のストーリーは、才能じゃなく努力だ。
そうじゃなきゃ、こんなに毎日ストーリーのことについて、
書けるわけがない。
一番鍛えたから、一番時間を使ったから、
これだけ語れてネタが尽きないのだ。
二年ちょいで1700記事って、どういうことやねん。
一番何を練習しましたか?
はい。ストーリーです。
よくがんばりました。
そう微笑む神様が、ストーリーの神様であるといい。
そこまであなたは、桜木花道ばりに、
地味に一万本練習をするべきだ。
誰も誉めてくれないし、いつやめても誰も何も言わない。
部活と違って、大人の人生にコーチはいない。
あなたが一人で続けることでしか、
練習は出来ない。
目つぶってたって、なんとかなる。
そこまで練習したら、
ようやく得意技になるだろう。
あなたの体の中に、ストーリーテリングが入った証拠だ。
(これは、漫画「ホーリーランド」の中で、
空手使いが言う台詞「最近ようやく体の中に空手が入ってきた」
をもじっている)
一生練習。実戦でも練習。
2015年06月21日
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