このあたりを自得するには。
江戸時代のやくざだけ残して、
別の話を持ってくる機転を利かせるには。
三題噺で鍛えるのが効果的だろう。
ちょいちょいこのブログでも出ている三題噺。
ルールは簡単。
三つのランダムなお題をみつけて、
それさえ使えば何してもいいから、面白い話をつくること。
たとえば、
「ピンク、窓、はちみつで面白い話を」
「バイク便、松、ツボ押しで面白い話を」
「雲、しましま、左利きで面白い話を」
などだ。
三題の選び方は、被らない方がいい。
たとえば、「白い」と「雲」や「服」は同居しないほうがいい。
「白い」「黒」もだろう。
結びつきにくい三つを選ぶのがコツである。
制限はペラ一枚程度でいい。プロットでも台詞つけてもいい。
元々落語の噺家の芸で、即興で落語をつくるのである。
噺家だから、膨大なお話のストックがある。
それらを分解して組み合わせて、枕、展開、落ちをつくるのである。
小話でいいが、落ちが落ちなくてはならず、
ここが難しいところだ。
もちろん、だらだらやるのは粋ではなく、
スパッと切れる落ちが粋である。
落語家に出来て、脚本家に出来ない訳がない。
面白おかしく演じる必要はなく、
原稿に書けばいいからだ。
(なんかの忘年会ででもやるべきだよね)
「なんか面白い話をつくって」だけでは難しいから、
ヒントというか、モチーフのきっかけというか、
ガワの一部というか、そういうものを得て、
お話をつくる訓練である。
前記事の例をまた出すと、
「恋する文化祭委員の話を、江戸時代のやくざと祭りをつくるガワで表現した」ときに、
「江戸時代のやくざは面白いから、その他を直せば?」
という指示は、
「恋、一緒に働く、江戸時代のやくざ」という三題噺を、
たとえば、
「指名試合、引退、江戸時代のやくざ」という三題噺に書き換えてくれ、
という指示なのだ。
(ロッキーの江戸版という要素を入れてみた)
全部のディテールをつくるのは大変だから、
まずは三題噺程度の分量で、検討に値するかどうかを出せばいい。
ついでに、
「A、B、江戸時代のやくざ」という別のパターンの三題噺を
つくっても大歓迎だろう。
つまり。
素人は、お話の構造とか、分からないしどうでもいい。
表面に現れた三題が面白いかどうかで、
90%ぐらい面白いかどうかを見ている。
あとは落ちさえうまく落ちれば完璧だ。
しかし、それで観客は騙せない。
三題が面白くたって、
話が面白くないものはやはり糞だからだ。
世紀のうんこ映画ガッチャマンは、
「ガッチャマン、カッコイイトーン、剛力」の三題噺だ。
その中身は、
ケンとジョーが元恋人のベルクカッツェを取り合い(回想)、
ジョーがベルクカッツェに変身し、
ケンが1000万人が死ぬリスクを犯してジョーを助ける、
というものだった。
うんこばかりの地雷源だ。面白い要素が「ガッチャマン」しかない。
(しかもデザインと設定放棄。鼻で笑うわ)
三題噺を沢山書こう。
どんな三題が来たって面白い話が書けるようになったとき、
あなたは、プロレベルの基礎が出来たと言えるだろう。
2015年06月25日
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